子ども若者らへのコロナワクチン接種。文科省は受験生への優先接種を自治体に要請していますが、世田谷区の答弁は「子ども若者らの優先接種はやりません」
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
本日のブログも先の桃野の区議会一般質問から。子ども、若者らへの新型コロナワクチン接種についても取り上げました。質問全体は以下の動画でご覧ください。
子ども、若者らへの新型コロナワクチン接種体制について。
多くの自治体で若年層の新型コロナワクチン接種率が低い傾向にあります。世田谷区の年代別ワクチン接種率を見ても、年代が若くなるほど接種率が低く、9月15日時点、区のホームページで示されているワクチンを2回接種した割合は「65歳以上」が88.3%、「20代」は28.8%、「12歳から19歳」は14.1%です。
他自治体を見ると、葛飾区は小中学生に、江戸川区は10代20代に、文京区は12歳から18歳向けに、江東区は39歳以下向けに優先接種枠を設けるなどの施策を行っています。9月12日の東京新聞では、四十七都道府県所在地(東京は新宿区)のうち、四十五市区が10代から30代の若者へのワクチン接種に「取り組んでいる」もしくは「検討中」であると報道されています。
では、我が世田谷区はどうでしょうか。区長は8月29日のツイッターで、東京都が設置した若者向け予約なしのワクチン接種会場が初日に混乱したことについて、以下のように痛烈に批判しています。
「実務に不慣れな東京都が「予約なし」と打ち上げたパフォーマンスが「小規模接種」で、大規模行列という結果となった。東京都は不得意なワクチン接種から徹底し、接種能力はあるがワクチンの足りない各区の現場にまかせるべきだろう。東京都は、生命を救う臨時仮設病床の設置に全力をあげるべきだ。」
「徹底し」は「撤退し」の誤りでしょうか(※赤線は桃野が引きました)。さておき、東京都の「若者の接種促進」という視点自体は良かったと思います。区長は区議会本会議の”区長招集挨拶”で「20代、30代の感染は急上昇」と述べる一方で「今後は若い世代に接種申し込みをしていただける工夫を凝らしていこうと考えています」と、いつも通り悠長な構え。
東京都には「現場に任せろ」と言いながら、区長自身は、若者の接種促進について未だ何もやっていません。前述のように他区では既に取り組みが始まっています。世田谷区では区立小中学校の通常登校も始まりました。子ども、若者らがが優先的に接種できる仕組みを早急に導入すべきです。
9月15日に読売新聞や日経新聞で報道されていましたが、文部科学大臣は「受験生には優先接種を」と各自治体に要請しています。併せて文科省は9月14日「地方公共団体における受験生に配慮したワクチン接種の取り組み事例について」という事務連絡も出しています。
桃野が問うても区長は答弁に立たず。ワクチン接種の担当部長が答弁に立ち「若者らへの優先接種はやらない」旨を答えました。「予約枠が空いているので、優先接種は必要ない」ということのよう。
しかし、これは変な理屈です。
世田谷区では、遅ればせながら妊婦、そのご家族へのワクチン優先接種を始めました。以下参考ブログ(2021.08.26 桃野ブログ)
世田谷区でも妊婦へのワクチン優先接種が始まります。予約開始は明日8/27(金)8:30AM。東京都の大規模接種会場では、本日より妊婦へのワクチン優先接種の申し込みが始まりました。こちらもご活用を。
「予約枠が空いているので、優先接種は必要ない」と言うなら、妊婦の優先接種の仕組みだって不要と言うことになってしまいます。
優先的に申し込めますので、自分の都合の良い時間、場所を選んで下さいと言うのが優先接種。子どもは日中は学校、週末や夜間は塾などに通っていて忙しい、かつ付き添いとなる保護者との予定を合わせようと思えば、なかなか予約できないと言うケースもあるでしょう。若者だって学校、アルバイトなど時間の調整が難しい方もいるはず。そんな方でも、接種希望者には早く打ってもらおうと言うのが「優先接種枠」の考え方のはず。
他自治体の多くが若年層の接種を進めようと工夫をしている一方で、何もやらない世田谷区。文科省が自治体に要請しているにも関わらず、受験生に対しても優先接種枠を設けようとしない世田谷区。
世田谷区長は「今後は若い世代に接種申し込みをしていただける工夫を凝らしていこうと考えています」と言っていますが、一体何をやるつもりなのでしょうか。
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