来年度、世田谷区では「生活困窮世帯の高校生等に対する学習支援」が行われる見込みです。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
来年度、世田谷区では「生活困窮世帯の高校生等に対する学習支援」が行われる見込みです(来年度の予算審議はこれから)。
文科省の資料「高等学校教育の現状について」(令和3年3月)を見ると、高等学校等への進学率は、令和2年度で98.8%。義務教育課程を終えたほとんどの若者は高校等に進学します。
一方、同じく文科省の「令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について(通知)」(令和6年10月)を見ると、高校中途退学率は1.5%。※中途退学率は、在籍者数に占める中途退学者数の割合。
もちろん、他にやりたいこと、例えば希望の就職先など、があって高校を辞めることは否定するものではありませんが、学校の授業についていけない、学校生活に馴染めない、などの理由で退学することはできることなら回避したいところです。
高校中退は、その後の就業が不安定になりやすいという現実もあります。
世田谷区では、中学3年生、高校生を対象に「学習支援事業」を、又39歳以下の方を対象に「高等学校卒業程度認定資格取得支援事業」を実施することとしました。
以下、世田谷区議会「子ども・若者施策推進特別委員会(令和6年12月17日)」資料より抜粋。
1)生活困窮世帯の高校生等に対する学習支援事業
①目的
生活困窮世帯の高校生の高校中退防止、高校卒業に向けた支援の強化に向け、子どもの学習習慣や基礎学力の定着を図ると同時に、高校生活において子どもが悩んだ際の身近で気軽な相談先となる。
②対象者
学習塾や家庭教師を利用していない生活困窮世帯の高校生および中学3年生
※一定の所得要件を設ける
生活保護・住民税所得割非課税・児童扶養手当・児童育成手当・就学援助(全費目)受給世帯
③実施内容
週2回、19時~21時
※週1回は個別学習支援、週1回は自主学習サポート
④登録定員
45名
⑤実施場所
区内の児童館3カ所(区内北部・中部・南部の鉄道沿線)
⑥実施方法
委託により実施。生活困窮世帯やひとり親家庭の支援および学習支援の実績のあるNPOや企業等をプロポーザルにより選定。
2)生活困窮世帯の子ども・若者に対する高等学校卒業程度認定資格取得支援事業
①目的
高校中退等した子ども・若者の学び直しとして、高卒認定資格取得の支援を強化する。
②対象者 生活困窮世帯の子ども・若者(39歳以下)
※一定の所得要件を設ける
生活保護・住民税所得割非課税・就学援助(全費目)受給世帯または同等の所得水準
※生活困窮世帯のひとり親家庭の子どもについては、「ひとり親家庭高等学校卒業程度認定試験合格支援事業」で給付されない分について支給
※20歳以上の者については親から扶養されていることを要件とする。
③給付内容
高卒認定資格取得のための講座受講料および試験料(上限30万円)
(引用以上)
先ずはこの施策をしっかりと周知することが大事。必要としている方々に「世田谷区ではこういう施策があります」と伝わるように。そして対象者の範囲についても更なる検討が必要でしょう。
子ども、若者の未来が明るいものとなるよう、経済的困窮に陥ることがないよう、桃野もしっかりと施策で支援をして参ります。
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