活用されていない区の燃料電池自動車(水素自動車)。5年間で444万円のリース料がもったいない。どうせなら区長が公用車として活用すればどうか。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
本日のブログも先の区議会一般質問より。
1)区立小中学校における新型コロナ対策について
2)児童養護施設等退所者への支援について
3)生活保護法第63条の規定による費用返還について
4)指数(保育の調整基準)について
5)区の燃料電池自動車について
の最後「5)区の燃料電池自動車について」です。
1〜4については桃野の過去ブログを参照ください。例えばこちら。
【保坂区長の施策「無症状の児童生徒らに抗原定性検査を行い安全を担保する」は全く非科学的、非合理的な施策。桃野は明確に反対し続けています】(2021.12.02 桃野ブログ)
区の燃料電池自動車(FCV)について、一般質問で取り上げました。
■世田谷区が導入した燃料電池自動車(FCV)。写真は区のサイトから転載しました。
世田谷区では、平成29年(2017年)4月、水素で走る燃料電池自動車(FCV=Fuel Cell Vehicle)を公用車に導入。その目的は水素エネルギーの普及啓発に活用するためとしています。
このFCVの車両運行記録を見ると、導入された平成29年度の年間走行距離は4,468km、平成30年度も4,468km、令和元年度は999km、令和二年度は1,379km、令和3年度は10月末までの7ヶ月で816kmと他の公用車に比べて、あまりにも走行距離が少なく、決して「活用」されているとは思えません。
質問の準備段階で区の所管課長に尋ねると、(縁組協定を結んでいる)群馬県川場村へ行く際にFCVを利用することがあり、その際は運行距離は伸びる。一方、水素を充填する水素ステーションは世田谷清掃工場内の移動式水素ステーションか、杉並区にある水素ステーションを利用するしかなく、燃料補給の面で使い勝手が悪いとの説明がありました。
そんな活用されているとは言い難い世田谷区のFCVですが、リース料は5年間で444万円と高額。高額なリース料に対して活用されてないFCVは契約最終年度となる今年度で利用を終えるべきだと区に提案しました。使われてない車のリース料で444万円なんてもったいない。区民の皆さんの大切な税金がその原資ですから。
そもそもFCVは何のために導入されたのでしょうか。区は、水素エネルギーの普及啓発が目的だと言いますが、その目論見は成功しているのでしょうか。今現在、区がFCVを導入していることを多くの区民が知っているとは思えません。
万が一、今後も区がFCVを導入し続けたいのだとすれば、今後の具体的な活用策を示すべき。例えば車の外観に「世田谷区の燃料電池自動車、水素で運行中。世田谷区長が乗ってます」と大きく示した上で、区長公用車として活用するのはどうでしょうか。こうしたことも提言しつつ質問しました。
桃野の質問に対し、区の答弁は以下内容。
区では、環境基本計画において、水素エネルギーの利用拡大と認知度の向上を掲げており、今後も脱炭素社会に向けて、ZEV(ゼロエミッションビークル)として、EV(電気自動車)とともにFCVも普及拡大していく必要がある。
FCVは、公用車として走行するほか、環境イベントや避難所運営訓練、学校での環境学習において展示及び外部給電機能を紹介した啓発に加え、災害時の非常用電源としても活用可能となっている。また先の246ハーフマラソンでは、排気ガスを出さない先導車として走行しPRした。
平成29年度からの累計走行距離は約1万2千kmだが、今後、役職を問わず、職員もFCVを使用できるよう、車両管理所管と調整するとともに、来年度以降は、閉庁日の区民向けカーシェアを検討する。
経費については、リユース車の導入やカーシェアによる税外収入等により抑制する工夫をし、引き続きFCVを導入したいと考えている。
(答弁内容以上)
導入当初は「世田谷区は、環境に良いことをやってます」というアピールでもあったのでしょうが。その後は活用もされず注目もされないままでは税金を浪費する存在にしかなりません。やめるならやめる。活用するならそのコストに見合うようしっかり活用する。当然のことです。これからも導入を続けたいというなら、イベント等で活用しつつ、普段は区長が乗って区民にPRするのが良いと考えたのですが、どうもそれには区長は乗り気ではないよう。残念。
今回の桃野の質問で「経費の節減」についても区から答弁を引き出せたのは良かったと思います。引き続き、細かいところも含めて「税金の無駄遣い」を明らかにし、必要なところにより多くのお金がまわるよう取り組んでまいります。
■質問の様子は以下動画でご覧ください。
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