世田谷区役所内でのセクハラ・パワハラの状況。被害者からの相談が寄せられる一方で、加害者はいないという不思議。
世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
世田谷区のお隣、狛江市で「セクハラで市長が辞職」という事件がありました。
市長のセクハラ疑惑が表面化したのは、ある狛江市議が情報公開請求で入手した市の公文書が発端です。
この公文書は、加害者とされる人物の役職は「個人情報保護」を理由に黒塗りにした上で、「口をつけたコップで何度も飲むことを強要された」「肩や胸も触られて困っている」「車内で手を握られた」といったセクハラ被害の内容についてはわかるものでした。
市議は「加害者は市長ではないか」と追及しましたが、市長(当時)は「身に覚えがない」と否定。しかし、その後、被害者が実名で市長に抗議文を提出したことで、一転して、市長が辞職するという展開をたどりました。
そして今日は、市議の改めての情報開示請求に、加害者の肩書き(これまで黒塗りだった部分)を明らかにした文書が開示されたと報じられています。狛江市は「高橋氏がハラスメントをしていたことが明らかになったため」と黒塗りを外した理由を説明しているようです。
【黒塗り外れたら…肩書は市長 狛江セクハラ巡る公文書】(朝日新聞デジタル)
さて、ここからが世田谷区のお話。
財務事務次官や狛江市長のセクハラ問題が大きく報道される中ということもあって、ここ数ヶ月、桃野は世田谷区役所でのセクハラやパワハラの状況について調べていました。
過去3年間にさかのぼって、世田谷区役所におけるセクハラやパワハラ相談の状況を調べたところ、庁内の相談窓口に職員から何件かの相談が寄せられていたことがわかった一方で、セクハラ・パワハラで処分を受けた職員はここ10年以上いないということもわかりました。
被害者はいるけど、加害者はいない?
この種の話は、相談窓口に相談をするという方はおそらく全体の中ではごく一部ではないでしょうか。「勇気を出して相談した」一人の被害者の陰にはその何倍もの被害者がいるのでないかな。それでも状況は何も改善されてないのかも。
ということで、具体的に、どういったセクハラ・パワハラが起きているのかを知り、その改善策を提案しようと、桃野は区に対して「相談記録など」の情報開示請求をしていました。
被害者を特定できる情報はもちろん、加害者が特定できる情報については黒塗りだろう、その上で具体的な事実がわかる部分については開示されるだろうと思っていましたら。。。
■例えば狛江市の場合はこういう形で開示されました。(朝日新聞デジタルより)
ところが、昨日、桃野が世田谷区役の区政情報課から受け取った書類は、まさかの「非開示通知」。
関連文書すべてが非開示、一切情報は出しませんとする決定で、桃野は何も知ることができませんでした。
保坂展人世田谷区長は常々「情報公開と区民参加」と自らの区政を宣伝していますが、またもや看板に偽りありです。
実際に区役所内でセクハラやパワハラの事実がある(相談が寄せられている)、にもかかわらず、誰一人として職員が処分を受けていないことは、桃野の調査で分かっています。そうした状況の中で、「何が起きているか」は一切教えない、関連文書は全て非開示というのは「セクハラ・パワハラの隠蔽」ではないでしょうか。
非開示決定に、不服を申し立てることはできるのですが、その不服申し立ての結果が出るまでには、半年から1年ぐらいの時間がかかります。その間にもセクハラやパワハラは繰り返されている可能性もあるのに、桃野は事実確認ができず具体的に議会で改善策等を取り上げることが困難ということですね。
保坂区政、自分達にとって都合の悪いことは隠すんですね。いかにハラスメントで苦しんでいる人がいようと。
桃野は「世田谷区役所からセクハラやパワハラをどうやって一掃するか」その方策を提言するために知恵を絞ります。
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