「"自分が悪かった"と言っている」と公表することは何を意味するのか。「被害者にも落ち度がある」という二次被害。
世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
本日は下北沢で「子どもへの体罰・暴力を考えるシンポジウム」に参加しておりました。
■告知パンフレットはこちら

区議会で同じ会派の田中優子議員が中心となって準備してきたイベントで、シンポジストを務めて参りました。
テーマは、世田谷区の教育イベント「ドリーム・ジャズ・バンド」の公演で起きた、「平手打ち事件」を機に暴力や体罰について考えようというもの。
会場、満席だったんじゃないかな。数えたわけではありませんが、ざっと見渡した感じでは60名ぐらい?
※ドリームジャズバンドの公演で起きた事件については、こちらのブログを参照下さい。
今日は「(ドリバン事件で起こった)あの平手打ちは何だったのか?」「教育や指導において、子どもへの体罰・暴力は必要か?」という問いに対して以下の方々とそれぞれの立場から意見交換など。
【シンポジスト】
中村 滋延さん
作曲家・九州大学名誉教授・相愛大学大学院客員教授
交響曲5曲を含む100曲以上を作曲
音楽や映像芸術に関する著述・論文・評論等の文筆活動も積極的に展開
松井 計さん
作家 1995年、松井永人名義で文筆活動に入る
2001年幻冬舎より刊行した『ホームレス作家』から筆名を本名に戻し、松井計で活動
本書はベストセラーに
新田 龍さん
働き方改革総合研究所株式会社代表取締役・ブラック企業アナリスト 早稲田大学卒業
TV、新聞など各種メディアにおける雇用・労働問題のコメンテーターや執筆も展開
厚生労働省プロジェクト委員
そして私、桃野よしふみ。
ファシリテーターは田中優子議員。
会場からもたくさん質問が出て大いに盛り上がりました。
この事件が、連日のように報道されていた当時(2018年の8月)、テレビでは多くのコメンテーターが「あれは子どもが悪い、殴られてもしょうがない」といった意見を述べていたので、今日も「教育のためには暴力、体罰は必要」という意見も出るかなとも思っていましたが、今日の参加者からはそのような意見は一切なし。
・子どもへの暴力を体罰と呼ぶこと自体おかしい。暴力は暴力。
・体罰に教育的効果は無い(具体的に研究結果を挙げて解説)。
・世田谷区の区長、教育長が、あの行為を「暴力では無い」と言っていることへの不信感
寄せられたのは、総じて今の世田谷区政を憂う意見でした。
桃野が今回のイベントで一番心に残ったのは、中村滋延さんのおっしゃっていた話。
世田谷区長が「(平手打ちをされた生徒は)自分が悪かったと言っている」と公にしたが、あれは絶対に外に出してはいけないこと。それは区長自身「あれは生徒が悪かったんだ」と主張しているに等しい。そのような情報発信は(被害者である)生徒をさらに追い込む二次被害である。
そうした趣旨のお話でした。頷けます。
世田谷区教育委員会主催のイベントで、参加していた生徒に対し、講師が暴力を振るったわけですから、これは区が、起きた事実を誠実に受け止め再発防止に努めなければいけないのは当然。
そして、暴行を受けた生徒、その暴行を目にしてしまった他のバンドメンバー、観衆の皆さんには何の落ち度もない、何も悪くない、ということこそ発信しなければいけなかったはずです。
起きたことを正しく見つめた上で、多くの区民がそのイベントを今後も継続したいという意思があるのであれば、適切な形で再スタートを切ればいい。
実際に暴行事件が起きた現場で何のアクションも起こさず、それこそ終始一貫して「何も起こらなかった」かのように振る舞った世田谷区。その時点から、その後の対応「暴力はなかった」「行き過ぎた指導はあったが、生徒が自分が悪かったと言っている」との主張に至るまで、保坂区政は、子供の人権をないがしろにしているのではないでしょうか。


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