世田谷区長、今更何を言っている!? 議会で何度指摘しても聞く耳を持たず、現実に口をつぐんでいたが・・・
世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
先の予算委員会で、関連の予算が修正された上で可決されるなど、風雲急を告げる「世田谷区役所・本庁舎問題」。
昨日、区長が定例記者会見で庁舎整備の問題に触れたことから、新聞記事になっておりました。
赤線を引いた区長のコメント。
はっきり言って「今ごろ、何を言っているのか!」との思いです。
これまで、何度も議会で指摘をしても、全く聞く耳を持たなかったのだから。
まず前提を改めてご紹介しますと、世田谷区の本庁舎(第1庁舎、区民会館)は築56年と非常に老朽化の進んだ建物。
旧耐震基準で建てられた建物であるがゆえに、窓に「筋交い」を入れるなどして、なんとか利用していますが、東日本大震災の際には、第1庁舎の窓ガラスが60枚以上も割れるなどの悲惨な状況に。
非常用電源も第3庁舎分のみにしか設備されておらず、想定される首都直下地震が来れば、災害対策本部となって区民の避難、支援を十分支えることができないだろうということは容易に想像できます。
我々の会派はこれまで、一貫して「災害対策機能に特化した新庁舎を作るべき」だと主張し、具体的な政策提言を続けてきました。
例えば
・現在の庁舎は別の形で活用するなどし、新庁舎は災害時の機能性を考慮した新たな場所に移転。
・現在、タコ足のように増築がされ分散化している庁舎の集約化
・非常用電源の整備など、徹底して業務継続が可能な庁舎
・首都直下地震に備え、全面的な免震構造に
など。
災害対策に特化し、その他余計な部分には過度な予算をかけない「質実剛健な庁舎の建設を一刻も早く決断するべき」だと区長には何度も訴えてきました。
ところが、区長は、現庁舎が著名な建築家、前川國男氏の設計であることを理由に現庁舎の保存にこだわり続け、免震構造についても「一部免震」とするなど、区議会(の多数意見)と対立していました。
桃野も、古い建物を大切にしたい気持ちはわかります。
できれば、現庁舎も残せるものなら残したい。
だからこそ、我々の会派は、新たな地に、新たな庁舎をつくる案も含め、実現性のある具体的な用地もあげて提言していたのです。
でも、区長は決断しなかった。
今となっては、今の場所に新たな庁舎を建てるしかありません。
そうなれば、災害対策の上でも、業務を継続しながら工事をしなければいけないという制約からも、現庁舎を大きく残すのは無理なのです。
その現実については口をつぐみ、区長はひたすら決断を先延ばししていました。
熊本地震では、数万人という住民がやむなく避難生活を送る中、地元の役所の庁舎が損壊して利用できないという事態にもなったことは、すでにブログでも述べてきました。
【熊本地震では庁舎の損壊などで5市町の庁舎が使用不能。首都直下地震に備えるべき世田谷区役所も非常に心配な状況です】
現実を直視すれば、区長は、世田谷区の庁舎問題を、もっと早く決断できた。
余計な時間、お金を使うこともなかった。
熊本地震をきっかけに「決断できない」という彼の資質が大きく露呈したと言えるでしょう。
区民の生命、安全に大きく関わる問題です。
多くの区民の方に世田谷区の庁舎問題は知って頂かなければなりません。
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