役所や病院は災害時のとりで。いざという時に機能しなくなることはあってはならない。
世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
先日、FacebookやTwitterに書き込んだ件。
昨日の朝刊で毎日新聞で記事になっていました。
【防災拠点 耐震化遅れ〜役所や病院使えず〜】
朝日新聞も。
【益城町と宇土市、庁舎被災し混乱 駐車場に災害対策本部】
熊本地震で役場や病院などの防災拠点自体が損壊し、使用不可能になるケースが出ています。
(以下記事より引用)
1)宇土市役所
市役所の本庁舎は1965年に建造されたもの(築40年)。
16日未明、コンクリート造り5階建ての4階の天井部分が崩れ、はりが落ち大きくゆがんだ。
約10年前の耐震診断により震度6強に耐えられないと判定され、昨年、耐震改修計画を検討し始めていた。
2)益城町役場
益城町役場も古い庁舎だが耐震改修が済み、震度7に耐えられるはずだったが、14日の地震で庁舎にひびが入ったり窓が開閉できなくなったりし、さらに16日の地震で電気がストップ。
役場横に配備した電源車も倒れた。
災害対策本部は、600人以上が避難する保健福祉センターの児童館に移設。
約50平方メートルにシートを敷き、椅子と机を置いて災害対応に当たる。
3)熊本市民病院
「天井の一部崩落などがあり、倒壊する恐れがある」として使用を中止。
入院患者約300人は県の防災ヘリコプターや救急車で他の病院に搬送された。
同病院は46年開設。79年完成の南館が耐震基準を満たしておらず、市議会特別委員会が13年に「建て替えが妥当」との報告をまとめた。
市は15年度に12階建て免震病棟を着工する計画だったが、建設費の高騰などを理由に市長が昨年1月に着工延期を表明した。
名古屋大の福和伸夫・減災連携研究センター長は「役所や病院は災害時のとりで。いざという時に機能しなくなることはあってはならない。阪神大震災以降、耐震化が進められてきたが、南海トラフ地震で被害が想定される地域に比べ、それ以外の地域の動きは鈍かった。財政的な問題もあったのだろうが、過去の教訓が十分に生かされたとは言えない」と指摘している。
(引用以上)
これらの出来事は世田谷区にとっても、他人事ではありません。
世田谷区役所の本庁舎は築56年。
当然、旧耐震基準(※注)でつくられている建物ですが、現在筋交いなどを入れ耐震補強を施してる状態。
区も、災害対策含め、改築の必要性については理解をしていて、平成26年に本庁舎等整備案として
①新庁舎は現在地とする
②延べ床面積は最低でも45,000㎡
③10年後を改築めどとする
の3点を基本方針として示しています。
しかし、その後の計画は止まったまま。
具体的な庁舎の配置すら決まっていません。
首都直下地震は必ずやってきます。
もしも、今やってきたら・・・
災害対策本部となって区民の生命を守るべく、昼夜を問わず稼働しなければいけない区役所本庁舎が、(倒壊はしないかもしれませんが)「庁内はグチャグチャ」、「余震などが起こればどうなるかわからないので、立ち入り禁止」
こんな状況になってしまう可能性が非常に高いのです。
我々の会派は、これまで何度も議会で取り上げてきました。
庁舎の改築は「災害対策優先」。
そして(華美なつくりなどは排して)、区民の税負担の小さな庁舎を。
首都直下地震への備えは待った無しです。
引き続き、議会活動を通じて訴えてまいります。
※注
旧耐震基準は、昭和56(1981)年5月31日までの建築確認において適用されていた基準。
震度5強程度の揺れでも建物が倒壊せず、破損したとしても補修することで生活が可能な構造基準として設定されている。
1981年6月以降の新耐震基準は、震度6強~7程度の揺れでも倒壊しないような構造基準として設定されている。
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