役所といえどもDXの取り組みが欠かせない世の中。各種助成もスマホで可能に。区民の利便性向上を。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
世田谷区議会は現在、予算特別委員会の会期中です。桃野は、これまで3月6日(水)の総括質疑、3月12日(火)の福祉保健委員会所管質疑にて、質疑を行いました。
3月6日の桃野の質疑は以下動画をご覧ください。「世田谷区の若者への給付型奨学金の拡充」などを区長に求めました。
本日のブログは3月12日(火)の質疑より「がん患者へのアピアランス支援」についてご報告です。
桃野は、平成30年(2018年)6月14日の一般質問で以下内容を取り上げ、区に施策導入を求めました。
・平成三十年三月閣議決定、がん対策推進基本計画第三期では、がん患者の就労支援のみならず、治療に伴う外見の変化、生殖機能の喪失などへの対策も求められているとしている。
・治療により脱毛が伴う方や乳房を切除された方が、外見の変化から感じる心理的負担を緩和する取り組みが必要。
・港区では、ウイッグや補整下着、シリコンパッド等の胸部補整具の購入費用に助成を行っている。また、同様の助成制度が横浜市、栃木市、大和市、湖南市、能代市、伊万里市、鳥取県、山形県にもある。世田谷区でも助成制度を導入すべき。
そして世田谷区では、令和5年10月からアピアランス支援事業がスタート。
・対象者:がんの治療に伴い、脱毛や乳房の切除などにより、ウィッグや胸部補整具等が必要である方
・助成対象品:ウィッグ(装着用ネット含む)、毛付き帽子、 人工乳房、補整下着、弾性着衣
・助成金額 :助成対象品の購入またはレンタルにかかった費用(上限10万円) ※一人につき2回まで申請可。
・申請期限 :助成対象品を購入またはレンタルした日から1年以内 ※ただし、令和5年4月1日以降に購入・レンタルしたものが対象。
この支援事業がスタートしたことは本当に良かったと思います。先日、ある女性からお話を伺う機会がありました。仮にAさんとします。Aさんは、がん治療のため乳房を切除されています。病気のこともあって現在はお仕事をされていないと言うことで出費を控えていらっしゃったようですが、区の助成があることを知り補正下着を購入されたそうです。
補正下着を着用された時「また胸ができたような気持ち」になって、本当に嬉しかったとおっしゃっていました。
その後Aさんが、区に助成(補助を受ける)の相談をしたところ区から、手続きの中で「領収書が紙で必要」との話を聞かされます。
Aさんは、区の補助があると言ってもなるべく安価に購入しなければ、と思い補正下着をネットショッピングで購入されていました。よって紙の領収書は無い、プリンターも所持してないので紙は出せない、デジタルのデータ、もしくはスマホの画面の確認で対応できないかと区担当者に話をしました。
区担当者からは、紙の領収書が必要なのでコンビニでプリントアウトしてくださいとの返事があったそうですが、Aさんはコンビニでスマホからプリントアウトと言われてもやり方がよくわかりませんでした。
その後、Aさんから相談を受けた桃野からも区の所管課に相談するなどし、紆余曲折を経て助成に繋がったのですが、そもそも紙の領収書が必須でなければ、区の事務負担も減りますし、申請する側も役所まで行かずスマホ等から申請できるので利便性が高まります。
役所といえどもDX(デジタル・トランスフォーメーション)への取り組みが欠かせない世の中になりました。厳密さが求められる徴税に関する事務、確定申告でもスマホを使って自宅など、どこにいても可能な時代です。世田谷区もこの手の助成手続き含め、スマホ等から各種手続きを簡便に実施できるよう仕組みを整えるべきではないでしょうか。
区側の答弁は答弁は概ね以下の内容でした。
・令和8年1月に予定している新しいシステム調達に向けて、がん検診の受診勧奨や、各種助成等の申請手続きを扱うシステムを再構築する。
・それに伴い、がん検診の申し込み手続きや、助成等の申請手続きを簡略なものとし、受診率の向上や利便性の向上につなげていきたい。
・がん患者ウィッグ・胸部補整具購入費用等の助成をはじめ、各種申請のオンライン申請化ができるように検討をしていく。
・当面の対応としては、公費の助成であることから、必要な審査は適正に行いつつ、制度趣旨や申請者の健康状態などを踏まえ、寄り添った対応に努める。
新しいシステム構築の中で是非、助成等のオンライン申請を実現してもらわなければなりません。そして、区も言っていますが、新たな仕組みができるまでは、ケースバイケースで区民に寄り添った丁寧な対応を。特に福祉の領域ではそうした区の姿勢が必要だと改めて感じます。
質疑の様子は以下の動画でご覧ください。
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