補助金不正受給事件。明らかになったのは38件、140万円。区からの補助金で私的な物品(パソコン等)を購入したり、架空の工事費を計上したり。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
世田谷区で、補助金不正受給事件が起きてしまいました。本日(9/7)の世田谷区議会「子ども・若者施策推進特別委員会」にて区側から報告がありました。
世田谷区では「おでかけひろば」事業を行なっています。
おでかけひろばは、親子でゆっくり過ごしたり、おもちゃで遊んだり、お互いの子育て情報の交換をしたりと、各自が思い思いの時間を過ごしていただけるひろば。利用料は無料。世田谷区にお住まいの未就学(主に0歳から3歳)のお子さんと保護者(これから子育てを始める親含む)であれば、いつでも利用いただけます。
世田谷区内には43のおでかけひろばがあるのですが、その一つを運営していた「NPO 法人ここよみ」が、区からの補助金を不正に受給していました。
現時点で明らかになっているのは、令和元年度(2019年)から令和3年度(2021年)の間の38 件、金額は約140万円 です。
今回は、おでかけひろばを運営する NPO法人の現代表者より、令和元年度から令和 3 年度にかけ、
・実績報告書上は補助金でパソコン等の物品を購入しているが、現物が見当たらないものがある。
・補助金で行っているはずの工事が行われていない疑いがある
との申し出があり、その後の調査で、このNPO法人の元職員が事実と異なる領収書により補助金を請求したこと、補助金で購入した物品等を元職員が私的に使用していたことが判明しました。
経緯を見れば、NPO法人側の自主的な申告がなければ補助金の不正受給は表でに出てこなかったと言うこと。世田谷区は補助金の支給に対して、そのお金が正しく使われているかどうかのチェック機能を持っていなかったことになります。
今回明らかになったNPO法人の他に、このような不正を働いている事業者がいないことを願うばかりです。
区は、子ども・若者施策推進特別委員会にて、以下内容を再発防止策として示しました。
・全ての補助事業者に対し本事案を周知し、補助事業費の適正な支出を改めて求める。
・(補助金の使途を示す)実績報告書の内容審査に当たって、疑義等が生じた場合は、補助事業者に説明を求める
・工事及び備品又は備品に類する物品を購入する場合は、事前に区への報告を求め、実績報告時に当該工事箇所及び物品の写真の提出を必須とする。
明らかになった補助金の不正受給について(38 件 1,407,628 円)、区はNPO法人に返還を求めるとともに違約加算金も徴収するとしています。
補助金の原資は、言うまでもなく区民の大切な税金。区は事業者に対して常に「補助金が正しく使われているのか」のチェックが必要です。自分のお金なら誰しも不正受給など許さないという厳しい態度で日々の仕事に向き合うはず。区職員は、自分の財布のお金を触るが如くの厳しい態度で公金を取り扱わなければなりません。
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