中学校で武道必修化。教師の力が問われます
平成24年の4月より中学校1年生、2年生の保健体育にて男女ともに、武道が必修になります。
学校ごとに柔道、剣道、相撲より1種目を選択して実施することになりますが、世田谷区立中学校では現在、柔道26校、剣道4校、相撲0校の実施となる見込みです。
武道ですから、当然、格闘技の要素を伴います。
安全対策には十分な配慮がされなければいけません。
昨日(22日)の朝日新聞社説、本日(23日)の東京新聞社説で、学校における柔道事故について取り上げられていました。
名古屋大学の内田良准教授の調査によると、1983~2010年度の28年間に全国で114人が死亡しています。
2009年までの10年間の中学校の部活動ごとの事故死亡率(10万人あたりの死亡生徒数)は、2番目に多いバスケットボールの0.371に対して、柔道は2.376と突出した数字。
授業が必修になったとはいえ、教師の中には、柔道の経験が乏しいものも含まれているでしょう。
教師はもちろん、生徒も柔道が危険を伴うスポーツだということを自覚し、安全対策を徹底することが必要です。
武道必修化について世田谷区の所管部門に問い合わせたところ、以下のような取り組み状況とのこと。
・区内大学より、専門的な知識のある学生、指導者を中学校(柔道2校、剣道2校)に招き、実際に授業を実施。
・授業の様子を区内中学校の教師に公開し、安全対策についての取り組みを共有。
・夏休み期間を利用して、教師に対して集中的に研修を実施。
・4月までには全ての教師に研修もしくは、授業見学が行き渡る。
・指導資料集を作成し、教師に配布する(4月)。
柔道や剣道を通じて、子どもたちが心身を鍛錬し、礼節を学ぶ新たな取り組みです。
安全対策を中心に、教師もしっかりと勉強し準備を進めなければいけません。
子どもの安全にかかわる問題です。
一定の試験や検定に合格しない教師は武道の授業を受け持たせないなど、これまで以上に教育の質について問う必要があると考えます。
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