選挙に出るには「供託金」が必要。これは選挙後、当落に関わらず多くの候補者にとって手元に戻ってくるお金です。では供託金が没収されるのはどんな時?
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
昨日に続き、今日のブログも選挙のお話。
選挙に立候補するにはいくつかの条件があります。
例えば年齢。
衆議院選挙に立候補できる(被選挙権がある)のは「満25歳以上の日本国民」、参議院に立候補できるのは「満30歳以上の日本国民」というルールになっています。
ちなみに世田谷区議会議員選挙に立候補できるのは「満25歳以上で世田谷区に引き続き3か月以上住んでいる日本国民」です。
他には供託金という制度もあり、立候補するためには一定のお金を国に預けなければなりません。供託金は衆議院選挙では300万円、衆議院選挙にて比例区で立候補する場合や小選挙区と比例区に重複立候補する場合は600万円。参議院に立候補する場合も選挙区では300万円、比例区では600万円です。
ちなみに世田谷区議会議員選挙に立候補する場合の供託金は30万円。
ではこの供託金制度は何のためにあるのでしょう。簡単に言えば、立候補する権利の濫用を防ぐため。売名行為が目的の立候補や、遊び気分での立候補はやめてほしいということ。
選挙には当然お金がかかります。ポスター掲示板を準備するのも税金を使ってのこと、夜遅くから明け方までかけて開票作業を行うのも税金を使ってのことです。
先日行われた世田谷区議会議員選挙は定数50人のところに、75人が立候補しましたが、仮にこれが100人、200人と立候補する人がいれば、今よりも多額の税金が必要になります。
もちろん選挙費用は民主主義のためのコストですから、そこに税金が使われることを批判する気は全くありません。
しかし、一方で、当選を目的としない立候補者がどんどん増えれば、それこそ「税金の無駄づかい」につながってしまいます。よって、供託金制度で立候補に一定の制限をかけているということですね。
この供託金は基本的には預けているお金ですから選挙が終われば、手元に戻ってくるお金。
しかし、、、
供託金が戻ってこない場合があるからこそ「権利の濫用の歯止め」になるわけですね。それが「供託金没収点」。
世田谷区議会議員選挙の場合の供託金没収点は次のように計算されます。
◾️区議会議員選挙の場合=有効投票の総数/議員定数×1/10
つまり有効投票の総数を議員定数で割り、さらにその1/10を下回る票しか得られなかった場合は供託金没収。
今回の選挙での有効投票の総数は、本日(4/27)時点ではまだ発表されていませんので、正確に今回の世田谷区議会議員選挙の供託金没収点はまだわかりません。
しかし、前回の区議会議員選挙の結果から類推すると以下のような数字を導くことができます。
先の世田谷区議会議員選挙の場合は、投票総数は320,284票でした。そのうち有効投票数は310,498票。投票総数の96.9%が有効投票数ですね。
今回の選挙の投票総数は345,598票。これに96.9%を掛けて有効投票数を推定すると334,884票。
仮に、334,884票から供託金没収点を計算すると669票になります。今回の世田谷区議会議員選挙の結果を見ると、立候補者の75名のうち、得票順で74番目、75番目の2名の立候補者の得票が669票を下回っています。
*今回の区議会議員選挙の供託金没収点が669票になるかはわかりません。あくまで前回結果からの推測です。ご了承ください。
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