区内の”お不動さん”に頭蓋骨が放置されていたとのこと。一緒にあった置き手紙は 「日中戦争から持って帰りました。ここで供養を」 という旨の記載
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
世田谷区に関するニュースをチェックしていたら、こんなニュースがありました。
起きたのが平成31年3月で、公になったのは先月、令和4年の7月。当時は警察官が10人以上来たといいますから、騒ぎになっていたのでしょう。
平成31年3月にこんなことが起きていたんですね。公になったのは今年7月ですから3年が経っています。→東京・成城のほこらで見つかった身元不明の「頭蓋骨」、添えられた手紙には「日中戦争から帰ってきた人です」の文字が…(弁護士ドットコムニュース)#Yahooニュースhttps://t.co/ywop0hmx4w
— 桃野芳文(世田谷区議会議員) (@momono4423) August 18, 2022
区内の”お不動さん”に置き手紙と共に、頭蓋骨が放置されていたとのこと。置き手紙には 「日中戦争から持って帰りました。ここで供養をお願いします」 という内容が書かれていたそうです。
置き手紙に書かれていることが正しいとすれば、7、80年前に戦争で亡くなった方のお骨ということになりますが、頭蓋骨を置いた人は、どういう事情で持ち帰り、なぜ長年手元に持っていたのでしょうか。謎めいた事件です。
さて、このような遺骨が発見された場合、「行旅死亡人(こうりょしぼうにん)」として扱われます。行旅死亡人は、氏名や住所等が不明で、且つ引き取り手のいない死者を指す言葉。行旅と言っても旅の途中という意味ではなく、普段生活されていた場所で亡くなられても行旅死亡人となります。
例えば、いわゆるホームレスの方が、居場所とされている場所で亡くなられた場合であっても、氏名等が判然とせず、引き取り手がいなければ行旅死亡人となる可能性が高いでしょう。
行旅死亡人となった場合は、地方自治体が遺体を火葬し遺骨として保存、官報の公告で引き取り手を待つ事となります。本件についても、記事内容にある日付の官報を確認すると、該当すると思われる行旅死亡人の記載がありました。
この事件の裏に、どのような事情があったかはわかりませんが、遺骨を遺棄するのは犯罪です。以下は刑法190条。
(死体損壊等)第百九十条 死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する
そして「墓地、埋葬等に関する法律」の4条には以下の定めがあります。
第四条 埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。2 火葬は、火葬場以外の施設でこれを行つてはならない。
もしも何らかの事情で手元にある遺骨の扱いに困ったら、何卒地元自治体にご相談ください。例えば経済的な事情で、納骨に窮するようであれば、生活保護制度の中の「葬祭扶助」で納骨できる可能性もあります。
以下、生活保護法の第18条です。
(葬祭扶助)第十八条 葬祭扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、左に掲げる事項の範囲内において行われる。一 検案二 死体の運搬三 火葬又は埋葬四 納骨その他葬祭のために必要なもの2 左に掲げる場合において、その葬祭を行う者があるときは、その者に対して、前項各号の葬祭扶助を行うことができる。一 被保護者が死亡した場合において、その者の葬祭を行う扶養義務者がないとき。二 死者に対しその葬祭を行う扶養義務者がない場合において、その遺留した金品で、葬祭を行うに必要な費用を満たすことのできないとき。
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