toggle
世田谷区の桃太郎 桃野芳文Webサイトです
2021-09-11

議会前に行政側から「その質問はやめてくれ」と言われたり、そうでなくても「嫌がっているな」と感じたら、よりその質問に力を入れるのが議員として当然。

LINEで送る
Pocket

 

世田谷区議会議員、桃野芳文です。

世田谷区議会は来週水曜日から区議会本会議。桃野は9月16日(木)の16時頃から一般質問に立つ予定です。インターネット中継がありますので、是非ご視聴ください。以下関連ブログ。

世田谷区議会第3回定例会が始まります。桃野の一般質問は9/16(木)16時頃の予定です。ネット中継もあります。ご注目ください】(2021.09.08 桃野ブログ)

そんなタイミングでもあり、このニュースは非常に気にかかりました。

渋谷の若者接種会場のシステム費、「質問しないで」 都が議員に要請】(2021.09.09 朝日新聞アピタル)

ある都議会議員が、東京都が設置した若年層向けワクチン接種会場でのオンライン抽選に関連して、議会でそのシステム費用について質問を予定していたところ、都の担当部長が質問を取りやめるよう要請し、要請を受けた都議は求めに応じて、費用に関する質問をしなかったのだとか。取材に対して部長も「費用は暫定値だったため質問を控えるようお願いし、都議にも了承してもらった」と事実関係を認めているそうです。

桃野は正直「東京都議会では、そんなことがまかり通っているのか」と驚きました。質問をやめてくれと議員に要請する部長もとんでもなければ、それを受け入れる議員も不見識極まりない。「行政監視機能」を果たすという議員の務めを全く理解できてないのではと思います。

記事の中に部長のコメント「一般的な答弁調整の範囲内で適切だった」が出てきます。この質問調整とは議員であれば誰しもが理解できる言葉ですが、一般的にはどうなのかな。そんなに知られている言葉では無いように感じます。

どこの議会でも「通告制」となっている質問、質疑の場合は「事前の調整」が行われているのだと思います。世田谷区議会の場合は、本会議の代表質問、一般質問は通告制。予算特別委員会、決算特別委員会は通告制では無く、与えられた持ち時間内で自由に質疑を行うことができます。常任委員会、(予算・決算以外の)特別委員会では持ち時間という考え方もなく、時間や回数の制限なくその場で自由に質疑を行うことができます。

「自由な質疑ができる」というのは文字通りですから、誰しもがわかりやすいですが、通告制というの一般的には、ややわかりにくいかもしれません。この通告制、簡単にいうと以下のような仕組みです。

世田谷区議会の本会議では、一般質問の持ち時間は一人10分、先ずはその時間内で壇上に立って、質問をしていきます。来週の区議会本会議では桃野の質問通告は以下の4項目ですが、先ずはその4項目について全て壇上から一気に質問します。

1.新型コロナウイルス感染症対策に関する区と区民とのコミュニケーションについて

2.新型コロナウイルス感染症から子ども達を守る施策について

3.ワクチン接種体制の拡充について

4.医療的ケア児への支援について

その後、壇上から自席に戻り、そこで1から4までの区側の答弁を全て聞く。その後に質問時間がまだ残っていれば時間の範囲内で再質問、再々質問が許されます。

1について質問したら1についての答弁があり、その次に2について質問して、2についての答弁があり、、、、という風では無いので、議員は事前に質問内容を答弁する側(=区側)に伝えておかないと、区側は正確に答弁することが難しいのです。

そして議員にとっても、施策や予算などの細部を聞き、正確な答弁を引き出そうとすれば、事前に何について聞くかを区側に伝えておき、正確な答弁に向けた準備をしておいてもらった方が良いのです。「今関連資料が手元に無いので、細かい数字までは答えられない」となってしまえば議会質問の意味がなくなってしまいますから。

ということで、事前に、議員と区側である程度の質問内容についてすり合わせ、質問と答弁がすれ違わないように準備をすることを質問調整と言いますが、その中で議員の質問内容を知った行政側(上記のニュースの場合は東京都の部長)が「その質問はやめてくれ」と要請していたというのが、上記のニュース。

これは言語道断、議会制民主主義を破壊する行為です。そして議員もその要請を受け入れたということですから、ある意味「共犯関係」にあると言ってもいいでしょう。

世田谷区議会議員は、選挙を経て区民に選ばれ、区側に質問する権利を与えられています。区が税金の無駄遣いをしていれば厳しく指摘してそれをやめさせなければならないし、怠慢な仕事で区民の福祉を妨げるようなことをしていれば、それを改めさせなければなりません。

よって、その質問はやめてくれと言われたり、そうでなくともこの質問に答えるのを嫌がっているなと感じたら、それこそ逆に「どこかに問題が隠されているのだ」と、よりその質問に力を入れ、且つその周辺を掘り下げていくのが議員の役目でしょう。少なくとも桃野はそう肝に銘じています。

■以下の動画は2020年6月10日の桃野の議会質問(通告制で行われる本会議代表質問)の様子です。

LINEで送る
Pocket

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です