世田谷区の新しい庁舎整備、費用は432億円。これを縮減しつつ感染症対策を含む災害対策を進めるには。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
昨日のブログ↓
【世田谷区は「修学旅行は全校で中止の方針」を転換。他の行事も含め、代替行事の実施も校長判断が尊重されます】
に続き、本日も世田谷区議会本会議、桃野の代表質問から。
コロナ禍で、多くの方々の生活に影響が出ています。収入が断たれた、収入が激減したという方も少なくないはずで、そうした方をどう支えていくかということも政治の役割です。
そして、コロナ禍の影響で景気悪化→リーマンショックを上回る景気後退→当然ながら税収は減る→減った税収の範囲内で苦境に陥った区民の暮らしを支えなければならない。
そうなれば、世田谷区が抱える「一大事業」も見直しが迫られることは避けられません。
そこで今回、議会で取り上げたのが、世田谷区の区役所本庁舎整備事業。簡単に言えば区役所の改築についてです。
世田谷区役所は築50年を超え、老朽化、狭隘化が著しい庁舎。東日本大震災の際はガラスが割れるなどの被害も出ました。必ずやってくる首都直下地震が来たら・・・
世田谷区役所は、“一発では”倒壊はしませんが、本来機能は果たせなくなります。予想されている首都直下地震が来れば、”余震などの影響でいつ崩れるかわからない”という状態になることは、これまでの調査による数字(耐震性能)から明らかです。
今後、感染症対策を含む災害対策の骨格ともなる本庁舎整備をどう進めていくかは大きな課題です。
“コロナ前”の計画では、来年2月から始まる工事に向け、いよいよ具体的な準備が動き出す予定でしたが、3月、区は新型コロナウイルス感染症による、財政への影響を見極めるとし5月に予定していた「世田谷区本庁舎等整備工事」の入札公告を延期しました。
今後、大幅な景気悪化、税収不足に陥ることも予見されます。そうなれば、432億円もの費用を要する整備に区民の理解は得られないでしょう。
一方で感染症対策を含む災害対策の上で現庁舎が機能不足であることは区長も認識しているはず。
そこで、整備費用の大幅な縮減と感染症を含む災害対策機能の強化を両立する必要に迫られた場合は、例えば東棟のみや一期工事のみなど、現計画の一部整備にとどめるべきというのが桃野を含む、我が会派の考えです。
当初計画(432億円)から、半分程度の費用(200億円程度)で対応。ここで削減できた費用は区民の暮らしを支える予算へ。
そう議会で問うたところ、区側の答弁は以下内容でした。
・本庁舎等整備は、基本構想の段階から、区民の安全・安心を支える防災拠点となる庁舎の実現を基本的方針の一つに掲げ、災害対策機能の強化を喫緊の課題として、これまで検討を進めてきた。
・このたびの新型コロナウイルス感染拡大を踏まえ、5月に予定していた施工者選定のための公告は見送った。
・一方で、今回の感染症拡大時の臨時業務や職員再配置にも、迅速かつ臨機応変に対応できる執務環境の整備も急務であると改めて認識している。
・桃野が示した一部整備とする場合、例えば、東敷地のみを建設し、災害対策拠点として必要な規模を確保することは技術的には可能であり、建設費も実施設計で示した432億円の5割強まで削減できる。
・しかしそれでは本庁機能として必要な床面積が確保できなくなることから、民間建物の借り上げを含む分散した本庁機能を集約することや、今回の新型コロナウイルス感染症対策など、緊急時の柔軟な対応が難しくなる。
・災害対策拠点としての耐震性能が不十分な第二庁舎が残されることなどの課題もある。
・機能配置の見直しなどの設計修正や、これに伴う再度の法令手続き等も必要となる。
・本庁舎等整備の今後については、桃野が指摘する点も熟慮し、8月の中期財政見通しを作成した上で、慎重に判断する。
(答弁要旨以上)
世田谷区の新しい庁舎はどのような形で、いかほどの予算で整備されるの。桃野の提言は容れられるのか。
その答えは8月に出されます。
■質問の様子はこちらからご覧ください。(特にお勧めの視聴は34分15秒〜です)
■動画は世田谷区の区議会のサイトからもご覧いただけます→こちら
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