首長による、議会各会派への挨拶回り。形骸化しているのなら止めてしまった方が良いのでは?
世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
世田谷区議会は、11月29日に今年最後の定例会が閉会し、来週の月曜日(12/18)、火曜日(12/19)の常任委員会、水曜日(12/20)の広報小委員会、議会運営委員会で年内の日程が終了します。桃野はその後、12月26日(火曜日)の都市計画審議会への出席があり、公務としてはそこが最後の予定。
もちろん、区民の方からの陳情対応、政策立案のための調査活動、次号の区政レポート作成、駅頭活動などの広報広聴活動などなどは、むしろ議会日程が終わってからが本番。
議会活動が「花」や「実」だとすれば、土を耕し、水を入れ、雑草を抜き、肥料を与え・・・、そこに至るまでの活動が公務外の活動ということになります。
さて、東京都議会も先日、今年最後の定例会が終了したもよう。
「東京都議会が閉会した」ということだけではニュースにならないから?それとも東京都知事の一挙手一投足に話題性がある?いやいや「都知事VS反都知事派議員」の構図が面白い?
【小池都知事わずか10秒 都民ファ離党組会派へ挨拶】
記事を要約すると以下内容。
小池百合子都知事が、都議会第4定例会が閉会したことに伴い、各会派に恒例のあいさつ回りを行った。小池都知事は、都知事選時から小池氏を支えたものの、今年10月に都民ファーストの会(小池都知事を支える政治グループ)を離脱した音喜多駿、上田令子両都議の会派にも出向いたが10秒ほどの短い会話しか交わさなかった。
こうしたことまでニュースになるとは。やはり東京都議会というのは注目度が高いんですね。
記者がどういう意図で記事にしているかはわかりませんが、読者として受ける印象は「かつての仲間(音喜多・上田都議)と、小池都知事の関係は冷え切ってしまったんだね」「小池さんって冷たい人なのね」といったところでしょうか。
でも、これ「小池都知事が冷淡」ということを示す事実ということではないのではないかな。
桃野は都議会の慣習については知りませんが、世田谷区議会でも同じようなことが行われています。区議会定例会最終日終了後には毎回「区長の各会派挨拶回り」は行われます。
我々の会派にも区長、副区長はじめ数人の部長級幹部が一緒に挨拶に来ますが、それはそれはほんの一瞬です。それでも別にこちらは、冷遇されているとも一切思わないし。
議会最終日当日の挨拶は、大体こんな感じ。
・本会議終了、三々五々、議員が本会議場を出て各会派の控室に戻る。心の中は「今定例会も終わった、終わった。フゥ〜」って感じ。
・控室で、同じ会派同士の議員で、議案の賛否を振り返ったり、今後の予定などについて何とはなしに話をしていると、総務課長がやってきて「区長がご挨拶に参りました」とか何とか言って、控室の扉を開ける。
・区長と副区長が部屋に入ってきて、区長が「(区長が提出した議案に対する)ご審議を頂きありがとうございます。引き続き世田谷区民のために精進します」みたいなことを短く言った後、区長と副区長が軽く頭を下げる。
・会派の議員は直立して挨拶を受けて、黙礼。
(こちらが何か言うとすれば、「お疲れ様でした」みたいなことを手短に)
・区長、副区長出て行く。
この間、数十秒だと思いますし、仮に10秒だとしてもお互いあまり何も思うところはないでしょう。
区長(行政)と議員(区議会)はそれぞれ健全に対峙する関係。こんなところで馴れ合うような会話はむしろするべきではないと思いますし、逆に「区長のあの答弁はおかしい!」「お前こそあの質問の仕方はなんだ!」などと言い始めたら単なる「口喧嘩」です。
おそらく都議会も同じなんじゃないかな。
ということで記事を読んで改めて感じたのは首長の「挨拶回りなんてやめたら」ということ。世田谷区議会の定例会後の区長から各会派(議員)への挨拶を見る限り、それは形だけ。そこで何か区長と議員が関係を作るわけでもないし。お互い時間の無駄なら、もう止めてしまってもいいのではと思うのだけど。
こういう小さなことでもなかなか変わっていかないのが議会なんですよね。
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