世田谷区長の肝煎りだからやめられない?今「社会的検査なるもの」を続けている場合なのか。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
2度目の緊急事態宣言(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の対象期間は2月6日までの1ヶ月間。初日となった本日の新型コロナウイルス新規陽性者は東京で2,392人でした。重症者用病棟250床の使用率は5割を超えたとのこと。
【都2392人感染 2日続き2千人台】https://t.co/OAnKqemK2Z
きょう東京都が確認した新型コロナウイルスの新たな感染者は2392人だった。2000人を超えたのはきのうの2447人に続いて2回目となる。都が確保している重症者用病床は250床で、使用率が5割を超えた。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) January 8, 2021
桃野にも新型コロナ関連で区民の方々からご相談が寄せられる日々。それに伴って世田谷区役所の担当所管とも様々なやりとりをしています。
当然ながら今、保健所にも大きな負荷がかかっていて、検査陽性者に対する聞き取り(感染経路のトレースなど)にこれまで通りの時間がかけられていない、検査陽性者の濃厚接触者であってもすぐに検査を受けてもらうとは限らないなどの状態と聞いています。
以下実際の事例。
・Aさんが発熱し、かかりつけ医を受診。PCR検査で新型コロナウイルス陽性の結果に。
・Aさんは軽症であることから自宅療養することに。
・保健所は、同居する家族(濃厚接触者)でも無症状であれば検査を受けず様子見をと連絡。
ところが、その一方で世田谷区長肝煎りの「社会的検査」なるものは止めない、継続するというのが今の世田谷区の判断です(2021.01.08 時点、担当所管に確認)。
この社会的検査とは、世田谷区長が「いつでも、誰でも、何度でもPCR検査」とマスコミを通じて喧伝、大いに世間を揺るがした後に、いつの間にやら小さくなったもの。区内介護施設で働く方などを対象に世田谷区全体にローラーをかけるよう検査を進めていくというものです。
桃野は区議会で、この社会的検査に明確に反対。予算案に「組み替え動議」(対案)も出しましたが、結果的に区長案に反対したのは我々の会派「無所属・世田谷行革110番・維新」の4議員のみで、区長案が賛成多数で議会を通過してしまいました。
この社会的検査、当初4億円の予算をかけて2万3,000件の検査をするとしていたところに、8,000万円の予算を追加、件数でいうと7,000件を追加して、合計3万件の検査をすることになりました。以下参考ブログ。
【世田谷区長のいう「社会的検査」、今度は8千万円の予算を追加投入して拡大へ】(2020.12.17 桃野ブログ)
そしてこちらは「病院経営者のための会員制情報紙/集中出版株式会社」の記事ですが、世田谷区長のやっていることにわかりやすく解説を加えています。
【新型コロナ検査「世田谷モデル」を巡る紆余曲折】(2020.11.13 集中出版)
ちなみに、2021年1月8日現在、世田谷区のサイトに掲載されている「社会的検査」の状況は以下。上記の桃野ブログにも記しましたが、受検を希望する施設は約3割と低調で検査数も当初もくろみに比べ非常に少ないものに止まっています。
そして、世田谷区内の新型コロナ新規陽性者が他自治体と比べて少ない、感染拡大が抑止されているということは全くありませんから、桃野が当初から指摘していた通りこの「社会的検査」には新型コロナ拡大抑制の効果は無いと断言して良いでしょう。
【介護事業所等を対象としたPCR検査(社会的検査)の実施について】(世田谷区のサイト)
前述したように、検査陽性者の同居家族(濃厚接触者)でも無症状であれば検査を勧めず様子見という状況。一方この「社会的検査」は濃厚接触者でもない無症状の方々を対象に次々と検査をするというものです。
区長の肝煎り施策だからと、進捗が非常に低調であり、感染拡大抑止の効果も無い社会的検査なるものに貴重な区役所の人的資源、皆様の多額の税金、限られた医療資源を投入し続けるのか。
世田谷区長、ここは区民のために正しい行動をとるべき。世田谷区は、社会的検査なるものは即停止し、医療機関や保健所が合理的に判断し検査の必要があるとした方々を対象とした検査に注力すべきです。
先程、企総委員会で動議を提案。区長の言う「社会的検査」に反対、その予算4億円は従来型のPCR検査拡充、高齢者施設等での感染拡大抑制策の支援等に向けるべしと主張したが、否決。私以外(自民、公明、立民・社民、あらた、都民F、青空こうじ議員)は、社会的検査含めて補正予算丸飲みで賛成。残念。 pic.twitter.com/fnO7blSSGa
— 桃野芳文(世田谷区議会議員) (@momono4423) September 18, 2020
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