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2011-11-04

子どもへの虐待を無くすために、何をするべきなのか。

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新聞などで目にするたび、何ともいえない気持ちになります。
子どもへの虐待。
自分が親という立場になって、なおさらその気持ちは大きく、複雑なものになりました。
正直に言ってしまえば、我が子を虐待して怪我を負わせたり、命を奪ってしまう親には強い怒りを感じるし、その行動を理解することができません。
内縁の夫などの虐待から、子どもを守りきれない親にも同様の気持ちを抱きます。
でも、「怒り」で虐待を無くすことはできません。
ましてや「悲しみ」で虐待を無くすこともできません。
子どもへの虐待を無くすために、何をするべきなのか。
色々な立場の専門家のお話を聞いて勉強すること。
そして、私自身も、一歩でも二歩でも、この問題を前に進めるために出来ることを。
一生懸命取り組んでいきたいと思ってます。
地域でのコミュニケーション、虐待の早期発見、必要だと感じれば迅速に、勇気をもって家庭内に介入する。
このようなことは多くの方が感じている事だと思います。
私もしかり。
しかし、本日参加させて頂いた「児童虐待防止に関するシンポジウム」は、違った視点を持つ良い機会になりました。
今日のシンポジウムで多くの時間が割かれたのは、「虐待から子どもを救い出すこと」ではなく、まさに「虐待を防止する」こと。
大阪府立母子保健総合医療センター産科主任部長の三田信明医師は、「妊婦、そして母親をどうやってケアするか」にその道を模索されています。
妊娠しても病院に行かず子供を産む妊婦。
検診などを受けずに、出産直前に病院に駆け込み子供を産む妊婦。
「未受診妊婦」のデータを分析すると、「虐待を行う母親」を分析したデータと非常に似通った結果がでるとのこと。
年齢、経済状況、家族状況、望まない妊娠など。
三田医師は、未受診の背景と、虐待の背景には強い類似性があると指摘します。
未受診妊婦の実態把握を進める。
彼女たちがが抱える社会的要因、つまりなぜ、妊婦健診未受診に至ったのかについて詳細を明らかにすること。
その上で、医療、保健、福祉、教育などの枠を超えた新しい枠組みをつくること。
私にとっては、はじめて触れるアプローチでしたが、非常に共感を覚えるお話でした。
医師の中で、産科医は不足しがちだという話も耳にします。
児童虐待を防止するという観点で、産科医の皆さんにどのように関わっていただくか、また、その分野に見識を持つ産科医をいかにして育成していくか。
これも不可欠な話だということになります。

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