こういう組織のゆるみが「税金のムダ遣い」や「区民の迷惑」に跳ね返ってしまうのでは無かろうか。
世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
予算特別委員会の桃野質問より今日のブログは「保健所の業務」について。
役所の仕事ぶりは、時に「融通が利かない」「お役所仕事だ」と批判を受けることもあります。
一方、逆に言えば、決められたルールについては厳格にしっかりと運用していく。
これは役所の得意とするところ。
そんな「お固い」役所で”仕事の基本中の基本”とも言える「要綱(仕事の進め方、ルール)」が、極めてズサンだという話。
今回、桃野は予算特別委員会の質問をつくるにあたり、保健所の仕事の進め方について調べていました。
それは食中毒事故への対応について。
例えば、区内の飲食店が食中毒事件を起こしてしまった場合、保健所はその飲食店に対して「営業停止」などのいわゆる「不利益処分」を下し、且つその内容を公表することになります。
その仕組みについて定めているのが「食品衛生法に基づく世田谷区公表実施要綱」
その要綱について調べておりましたら、そこにどうしても理解できない部分があったんですよね。。。
それは要綱の第一条。
【食品衛生法に基づく世田谷区公表実施要綱】
(目的)
第1条 食品衛生法(昭和22年法律第233号。以下「法」という。)第29条の2の規定に基づき、食品衛生上の危害の発生を防止するため、法又は法に基づく処分に違反した者の名称等の公表について必要な事項を定め、食品衛生上の危害の状況を明らかにすることを目的とする。
条文の中に「食品衛生法の第29条の2の規定に基づき」と書いてあるので、食品衛生法の29条の2に、何が書いてあるのか参照するわけですが、それが以下。
【食品衛生法】
第29条の2
保健所を設置する市及び特別区は、前条第一項の規定により収去した食品、添加物、器具又は容器包装の試験に関する事務を行わせるために、必要な検査施設を設けなければならない。
あれあれ???
「不利益処分の公表」について読んでいるのに、なぜか「検査施設の設置義務」について参照しろと言う。
私には何度読んでも意味がわからない。
これについて問うと保健所はなんと・・・
「要綱が間違っています」
との答弁。
「役所の仕事の基本の基」である要綱が間違っていると。
しかも、間違った原因を聞いても
「保健所は間違ってない」
「どこで間違ってたか原因はわからない」
とのこと。
実は、この手の話しには、世田谷区役所には「前科」があるんですよね。
昨年9月の決算特別委員会で、ある問題について調べていたらその関連の要綱が意味不明。
「要綱が間違っていて、意味不明」
「これでどうやって仕事をしているんだ」
と委員会で指摘をしていました。
その時は、所管課の課長が以下答弁しています。
「ミスが重なり、また誤りを発見することもできなかった、申し訳ありません」
「今後引き締めて見直ししていきたいと思います」
「また、この要綱以外の部分についても、改めて目を通して確認していきたいと思います。本当に申しわけございませんでした」
ところが、実態は「要綱の確認などやって無いじゃないか・・・」という状況。
これまでも議会で強く指摘しましたが、条例、規則、要綱、要領は役所の仕事の基本。
その大切な要綱の誤りについて、役所の中で、何年も誰も気付かないというのは、どういうことでしょうか。
こういう組織のゆるみが大きな事故につながり、その結果が税金のムダ遣いや区民の迷惑に跳ね返ってしまうことにもなりかねないのでは無かろうか。
しっかりやってもらいたい。
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