区役所のトップである世田谷区長が「役人の答弁は信用できない」とは。一体あなたは何者?
世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
昨日のブログの続き。
子どもの貧困対策「せたがや若者フェアスタート事業」について。
これまでのブログは以下です。
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せたがや若者フェアスタート事業」なるもの。子ども達をめぐる現状分析すらできていない、矛盾だらけの施策だと思う。
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世田谷区長のトンデモ発言含め、いくつかの点で大きな指摘をし、対案を示しています。
これまでのブログで述べてきましたが、政府が決定し、東京都を通じて行なわれる以下事業がいよいよスタートする見込みです。
【対象者は児童養護施設を18歳で巣立つ方など】
・就職者には2年間の家賃相当額を無利子で貸付
・進学者には家賃相当額に加え生活費として月5万円を正規就学年数の間、無利子で貸付
・施設に入所中の方等でも、就職に必要な資格を取得する場合、上限25万円で実費を無利子で貸付
そして
・家賃と生活費の貸付は5年間の就業継続で返還免除
・資格取得貸付は2年間の就業継続で返還免除
その横から、なぜか世田谷区が同じく【対象者は児童養護施設を18歳で巣立つ方など】に対して、単独で実施する支援は、年間36万円を給付(返さなくて良い、あげちゃう)という奨学金です。
政府が決め都が実施する事業と、区の事業。
「貸付」と「給付」はその大きな違いですが、区長は政府の実施する奨学金制度について、ブログで以下述べています。
(以下引用)
「国会での質問を多くしてきた体験から言うと、「柔軟な運用」という答弁は役所によって、その具体が事後的にいかようにも変化します。・・・(中略)・・・政府は「給付型」を決断しないままです。政府が「児童養護施設退所者支援」をうたいながら、就職後の離職と同時に「借金苦」で追撃するようでは本末転倒でしょう。
(引用以上)
先ず前段でトンデモナイ事、言ってますね。
この人、一体何者なんでしょう、という感じ。
これは国会で議論になったポイント「退所者が離職した途端に返還を迫るのではなく、求職活動をしている場合も就業継続とみなすべきだ」の指摘に対して、厚生労働大臣が、支援資金の返還免除について「離職しても、すぐに再就職するなど就業継続と同等と考えられる場合は柔軟に運用する」と答弁したことを指しての区長のコメントです。
世田谷区長、かつて社民党の国会議員だった時代のことをよく、議場でも口にするのですが、今回もそれ。
現在、区役所のトップである区長が「役人の答弁は信用できない」旨のコメントをするのですから、まさに天にツバする行為です。
日々、区政のために汗する彼の部下達は、こういう記述や発言を見聞きして仕事のモチベーション、どうなるんでしょうね。
組織のトップとしての資質を疑う、極めて自己本位、自己中心的な彼の発想です。
そして「給付型を決断しない」と政府を批判している部分ですが、私は区長に議場で尋ねました。
なぜ無利子の貸付(それもかなり返還免除の幅が広い)では、ダメなのか。
しかし区長、明確に答えられないのでしょうね。
区長に聞いたのに、答弁に立つこともしてくれませんでした。
大学であれば4年、短大であれば2年、税金で学生を支える仕組みです。
給付金であれば、学校を途中で辞めようが、就労しなかろうが、給付される側にとって確かにリスクは無いでしょう。
しかし、それは自立につながるのでしょうか。
リタイヤは減るのでしょうか。
奨学金を得た方には、真面目に学校に通い就職してもらいたい、就職後は、就労し続けてもらいたいのです。
ならば、5年後の返還免除と言う明確な通過点に向かって、子ども達に「頑張れば報われる」という道を歩ませることこそ自立支援なのではないのでしょうか。
繰り返しますが、都の事業は、仮に倒産、リストラなど本人の努力と関係なく就労が途切れても、返還免除の対象となる方向で検討されているのです。
(気持ちを込めて質問しましたが区長は無視)
桃野には、区の事業は、児童相談所の仕事のバランスを崩し(前のブログ参照ください)、子ども達にとって真に為になる施策とも思えません。
さて、ここまでは「区の事業」について「このままではダメだ」と指摘をしてきました。
次回は、桃野の対案についてご報告します。
★質問の様子は動画でご覧頂けます。
「会議名で探す」→「平成28年第一回定例会」→「2/25(木)本会議」「桃野よしふみ・再生」
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