「特定秘密保護法の撤回を求める意見書」。世田谷区議会では残念ながら否決
昨日の世田谷区議会本会議にて、超党派で「特定秘密保護法の撤回を求める意見書」を内閣総理大臣あてに提出することを目指し、議員提出議案として議案提出しました。※桃野は壇上で賛成意見を述べる役割に回りましたので、議案提出者に名前を連ねておりませんがもちろん賛同者です。
結果は賛成少数で否決。残念な結果になってしまいました。
■「特定秘密保護法案の撤回を求める意見書」に反対の議員
自民党(議長を除く12名)
公明党(10名)
小泉たま子議員(新風)
すえおか雅之議員(みんなの党)
佐藤美樹議員(あらた)
くしくも、国会においては同日「特定秘密保護法案」が、参院本会議で可決されてしまいました。
私は、衆議院で、所属する「みんなの党」がこの法案に賛成したことを受け、党を離党いたしました。
私は、本法案は問題だらけだと思っています。
しかし、国会で作った法案ですから、同じように国会で改正をすることはできます。
これからも引き続き、一地方議員として、一国民として声を上げてまいります。
「特定秘密保護法の撤回を求める意見書」については、桃野は賛成の立場で、議場で意見を述べました。
■壇上での「意見」の様子は世田谷区議会ホームページから動画でご覧いただけます。
12/6(金)「収録内容を表示」をクリック
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右側上から2つ目の「再生」をクリック
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27分50秒まで早送りして頂くと桃野登壇部分になります。
(全体で約7分40秒です)
■以下に議会で述べた意見の要旨を掲載します。
日本が国家安全保障上、守らねばならない秘密は当然あるでしょう。
しかしながら、“日本の安全保障のため”という目的をはるかに超える広範な裁量権を官僚に、火事場泥棒的に与えてしまっていいのか、という危惧は否めません。
一体、国民の知る権利はどこまで保証されるのか、秘密の範囲や秘密指定・解除の方法に関する懸念、など、法案の審議が進めば進むほど疑問点が出てきます。多くの国民が不安を覚えるのは当然です。
2001年9月11日、アメリカでの同時多発テロ事件の際、小泉政権の外務大臣だった田中真紀子氏が、アメリカから伝えられた機密を記者団にべらべら喋ってしまうという事件がありました。
秘密保護法案は、日本の国会議員、それも政府の要職に就く者のレベルが低すぎるという、官僚からの異議申立てのようなものなのですから、この法律の範囲はあくまでも日本の安全保障上のトップ・シークレットに携わる者、つまり国家公務員や国会議員が主体であるべきです。
しかしこの法律ではテロ対策として、一般人を監視対象とし、共謀・教唆だけで捜査を可能としています。
このことは、そもそも自衛隊法の中にある「防衛秘密」制度と、かたや法律上の根拠なく各省庁が、内規によって勝手に秘密に指定している「特別管理秘密」制度を「特定秘密保護法案」で無理やり一緒にして、法律上の根拠を与えようとしたことによる大問題です。
官僚の裁量についても、後に検証できるシステムが必要です。
そのためには当事者が生存しているうちに、その責任を追及できる期間となっているべきでしょう。
法案で定められている秘密指定期間60年は余りにも長すぎます。
世田谷区議会においても、特に災害時の要支援者の名簿問題など、個人情報の取り扱いが問題になっています。もう少し個人情報保護法において、国会で丁寧な審議があったら、そして、何らかの工夫が加えられていたら、これほど地方の現場で悩むことはなかったかも知れません。
そういう教訓からすれば、今回の法案は間違いなく、穴だらけで、拡大解釈の歯止めが効かなくなります。
我々の会派はこれまでも情報開示制度を使って行政の仕事ぶりをチェックし、税金のムダ遣い等にメスを入れてきました。その過程では、役人の裁量を超えると思われる情報隠しを目の当たりにしてきました。
情報公開がなされなければ、行政の仕事を監視するという国会や国民の大切な役割も果たせなくなってしまいます。行政が都合の悪い事は永遠に隠す事ができるといった余地を大きく残したままの特定秘密保護法は認められません。
以上のことから議員提出議案第7号「特定秘密保護法の撤回を求める意見書」に賛成の意見とします。
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