阿武町の件は他山の石にすべき。世田谷区では「支払いを忘れて損害遅延金を支払う」などのミスが頻発。やがて大きなミスに繋がることを懸念します。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
山口県阿武町が誤って町内男性に振り込んでしまった4630万円。男性は返還を拒んでいると報じられていましたが、町側は、あの手この手で、その大部分の回収に成功したようです。
山口県阿武町が誤って振り込んだ4630万円の給付金。
町は法的な手続きによってこれまでに4299万円余りを確保しました。
さらに町は、容疑者の口座に残っていた6万円余りを差し押さえたことを明らかにしました。https://t.co/WWCUdV68dp
— NHKニュース (@nhk_news) May 24, 2022
と言ってもまだ300万円以上のお金が町役場のミスで失われたままになっています。今後、誤って振り込みを受けた男性が返還に応じるのか。またこの男性は警察に逮捕されているようですが、どのような刑事責任を問われることになるのか。まだまだニュースは続くことになるでしょう。
山口 阿武町 逮捕の住民「複数のオンラインカジノで使った」 #nhk_news https://t.co/CqsFq8stRS
— NHKニュース (@nhk_news) May 20, 2022
さて、こうした行政の「致命的なミス」は、世田谷区でも他山の石としなければなりません。これまでブログ等でもご報告してきましたが、世田谷区でも近年、行政による信じられないようなミスが繰り替えさえされています。
例えば、大量のワクチン廃棄もそう。区は、1週間で3回も「温度管理ミス」を繰り返し、3,645回分のワクチンを廃棄してしまいました。
【世田谷区の新型コロナワクチン接種会場にて。1週間で3,645回分のワクチンを廃棄。原因は「適切な温度管理できず」】
そして、支払期日の管理ミスで、延滞金を支払うというミスも。阿武町の件のように金額は大きくないかもしれませんが、こうした「簡単な仕事ができていない」という状況が、やがて大きなミスに繋がることを懸念します。以下、今年5月10日(火)に判明した区のミスです。
■料金後納郵便料の支払い手続き遅延
・相手方は日本郵便株式会社。区が、郵便料金を後納支払いとしている郵便物の請求書(請求額290,146円)を、4月12日に受理。4月28日の支払期限日までに支払うこととなっていたが、担当職員が支払い手続きを行っていなかった。未払いは5月10日 に判明。
・5月13日に相手方への支払いを完了したが、支払期限日を経過しても支払いを完了していない場合には、 支払期限日の翌日から支払いの日の前日までの日数について、年14.5パーセントの割合で計算した額を延滞利息として支払うことになっており、4月29日から5月 12日までの14日間についての遅延損害金(1,613円)を支払い。
ちなみに上記の支払い遅延を起こしたのは世田谷区の保育部ですが、保育部は2年前(令和2年4月28日判明)にも支払遅延を起こし、延滞金を払うミスを起こしています。
■事業用定期借地権設定契約に係る賃料支払い手続き遅延
・相手方は区内に土地を持つAさん及びBさん。区は、相手方とその所有する土地について事業用定期借地権設定契約(以下「本契約」)を締結しており、同地では区から転貸を受けた保育事業者が私立認可保育園を運営している。
・本契約では、年に 1 回定められた期日(4月25日)までに賃料を支払うこととなっていたが、区は支払手続きを行っていなかった。4月28日に相手方から連絡を受け判明。
・ 4月30日に相手方への支払いを完了したが、本契約では、支払い期限までに賃料を支払わない場合には、相手方に遅延損害金を支払うこととなっており、支払い期限翌日の4月26日から4月30日までの5日間についての遅延損害金(7,068円)を支払い。
支払い期日の管理は仕事として難易度の高いものではないでしょう。日常的に繰り返し行われているものであり、むしろ基本的な仕事と言えます。こうした仕事でミスが起こり、区民の大切な税金が無駄になることはあってはなりません。
支払日の期日管理などは先ずは担当者が緊張感を持って取り組むことが大前提。その上で、期日前に「アラームが点灯する」「メッセージがポップアップする」などは基本的な仕組みでしょう。
仕事にはミスがつきものではありますが、そのミスは回復不能な状態に至る前に手を打つことができるよう「誰かがミスに気づく」仕組みを作っておかなければなりません。
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