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2021-11-11

世田谷区長の施策「修学旅行などの行事前に、区立小中学校の児童生徒に、抗原検査を受けさせる」は続くのか。更なる補正予算が議会に提出される予定です。

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世田谷区議会議員、桃野芳文です。

世田谷区議会は今月末から、令和3年度第4回定例会がスタートする予定です。

昨日開催された企画総務委員会では、区側から第4回定例会提出予定案件として、「令和3年度世田谷区一般会計補正予算(第5次)」の説明がありました。

簡単にいうと「次の議会で、区長側から補正予算の議案を出しますよ。中身はこうなる予定ですが、どうですか」という説明があったということ。

補正予算の主な内容は以下。

1) 新型コロナウイルス感染症防止対策

・ワクチン住民接種事業(3回目)

・第6波に備えた保健所体制及び検査体制の確保

2) 区民の生活と区内事業者等の活動を守る取組み

・せたがやPayを活用した事業者支援

補正予算の額は78億8,100万円です。

桃野はワクチン住民接種事業関連など補正予算の大半は了としていますが、見直しを求める意見を述べたのが、上記の「1) 新型コロナウイルス感染症防止対策」→「第6波に備えた保健所体制及び検査体制の確保」の中に含まれる約2.7億円の予算。

世田谷区長が新型コロナ対策として「抗原定性検査のさらなる活用」というメニューを補正予算に計上してきました。これまでもブログで述べましたが、世田谷区長は、区立小中学校の児童生徒に対して「修学旅行等の行事前に抗原検査で陰性確認を」との施策を導入済み。無症状の子ども達に、行事前に一回きりの検査です。

世田谷区長こだわりの「社会的検査」。又補正予算が議会を通過してしまいました。無症状の子ども達に抗原検査キットで「陰性確認」は不適切。桃野は反対】(2021.09.28 桃野ブログ)

上記のブログにも書きましたが、桃野はこの施策に反対しましたが、賛成多数で可決。12月までこの検査が行われる予定でした。

ところが区長は今回、この子ども達への抗原検査を来年3月まで続けるから予算を追加で組むというのです。

今回の補正予算には「感染者又は感染疑いのある方に接触した可能性が高く、且つ感染の不安がある方」や「軽い倦怠感やのどの痛みなど、体調が気になる方」が簡易に検査ができるようにと、介護事業所、障害者施設、保育園、幼稚園、小中学校等に抗原検査キットを配布する予算も含まれています。

こちらは、例えば「なんか喉が痛い。コロナに感染したかも。不安」という方が検査をして「陰性だった。安心した。風邪のようだからしっかり養生しよう」となることが期待できるかもしれません。

つまり、何らかの理由で「検査を望んだ方」が病院に行かなくても簡易に検査ができるという仕組み。これがPCRではなく抗原検査で良いのかという別の問題はありますが、一応「施策の目指すところ」については理解できなくはありません。

しかし区長は、同列の施策の中に、なぜ「(修学旅行等の)行事前に児童生徒全員を対象に検査」などというものを含めるのでしょうか。こちらは全く科学的、合理的な施策とは言えません。前述のように「ちょっと体調が気になる」「濃厚接触者になったかもしれないので不安」という方が、念の為検査を受けたいというケースとは違うのです。

そして、政府が検討中だとされている「ワクチン・検査パッケージ」とも趣旨が異なります。「ワクチン・検査パッケージ」は新型コロナウイルス感染症への罹患リスクがゼロではない状況で経済を回していくための施策。ワクチンを接種した方、もしくはワクチン未接種だが◯日前に検査を受け陰性だった方(検査後◯日間は陰性証明が有効)を対象に、行動制限を緩めるという施策です。

これを当てはめれば、修学旅行に行く際「ワクチン未接種の児童生徒は検査をしてください」となる施策ですが、区長の施策はそういうものではなく、あくまで「(修学旅行などの)行事前に、全ての児童生徒は検査をする(ただし強制では無い)」というものです。そして、この検査によって無症状の陽性者を見つけ出すのだそうです。

これまでも述べてきましたが、抗原検査は、無症状の方を対象に感染者を見つけるためのものではありません。そして区長が唱える「無症状の感染者を見つけて集団感染を防ぐ」ことが目的の検査であれば、ウイルスの潜伏期間を考慮した頻度で繰り返し、その集団全員を漏れなく検査をしなければ効果はありません。

区長は、繰り返し説明しても全く聞く耳を持ちませんが、合理的根拠、科学的根拠なき施策に貴重な税金を注ぎ込む施策はやめるべきです。先日の企画総務委員会では、桃野はこの補正予算には見直しを求め、多くの意見を述べましたが、一方で「この検査は必要だ」と強く主張する議員もいました。

今後、この議案(補正予算)はこのまま可決されてしまうのか。区民の皆様には是非、区議会での議論にご注目頂きたいと思います。

以下参考。

会食人数制限や移動自粛要請を撤廃 ワクチン・検査パッケージ概要】(2021.11.11 毎日新聞)

ワクチン接種が進む中で 日常生活はどのように変わり得るのか?】(内閣官房のサイトより)

■「ワクチン接種が進む中で 日常生活はどのように変わり得るのか?」より抜粋

 

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