世田谷区長曰くの「社会的検査」がうまくいかないのは政府のせい?区長はいつまで「自分は悪く無い。周りが間違っている」との発信を続けるつもりなのか。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
世田谷区長の肝煎り施策である「社会的検査」。区長はこれを新型コロナの集団感染(クラスター)」を防ぐための対策だと言い続けています。
桃野はこの社会的検査に一貫して反対してきました。この検査の頻度、間隔ではクラスター抑止効果など無いのは明らかだからです。ところが未だに区長はこれがわからないよう。これまで議会で何度も何度も言葉を尽くし、丁寧に説明しながら対案(他にやるべき施策)も提示してきたのですが、全く理解できない世田谷区長。一昨日はこんなツイートをしていました。
高齢者施設での定期的な検査が進まなかった理由は何か。政府が社会的検査が必要だという見解を示してからも、「検査抑制論」「無症状者への検査は無意味」等の誤った見解の影響が残ったことが原因のひとつ。無症状者への検査の戦略的な意義を説明すべきだ。 https://t.co/VQIlOHBP2i
— 保坂展人 (@hosakanobuto) June 20, 2021
世田谷区長が言う「社会的検査」は、区内の高齢者施設等を対象に、ローラーをかけるようにPCR検査をして回ること。
区長は先ず、テレビや雑誌で「いつでも、誰でも、何度でもPCR検査だ!」とぶち上げ、大きな話題になりました。ところが世田谷区でそんなことが実現する気配は一切なく(そもそも「いつでも、誰でも、何度でもPCR検査」を実現しようと具体的に検討したそぶりすらない)、その後、この社会的検査なるものが実施されることに。
桃野は一貫して反対。
なぜなら、クラスターの発生を防ぐと言いながら、その検査は「先ずは数ヶ月かけて区内をぐるっと一周」というものだったからです。新型コロナウイルスの潜伏期間を考慮もせず、区長は、とにかく(頻度や間隔を考慮せず)検査さえすれば予防につながると言う全く誤った認識で大切な税金、区職員の労力をそこに投入しようと言うのですから賛成などできません。
以下参考ブログ。
【世田谷区長肝煎りの「社会的検査なるもの」は意味がない。いよいよ区が公式に指摘を受けたと言って良いでしょう。議会で問うと区もこの指摘を否定できず】(2021.06.17 桃野ブログ)
こちらの、桃野の議場での「反対意見」もご覧ください。2021年3月29日の世田谷区議会本会議。
区長は、何回説明してもわからないようで、この世田谷区長肝煎りの社会的検査が広がらなかった理由を一昨日、以下のように発信していました。
・高齢者施設での定期的な検査が進まなかった理由は何か。
・「検査抑制論」「無症状者への検査は無意味」等の誤った見解の影響が残ったことが原因のひとつ。
などと言って、政府のせいだと言わんばかり。
先ず、区長は、いつも「定期検査」の言葉を使ってケムに巻こうとしますが、区長の言う社会的検査の実態は「定期検査」などではありません。ほとんどの施設で検査は一回こっきり。更に、検査で新型コロナ陽性者が出た施設で二回目を受けたところはありません。これで区長が定期検査と言い続けていること自体が全く意味不明。
世田谷区長の社会的検査は、最も頻回に検査を受けようとしても、1ヶ月に一度の頻度でしか受検できない仕組みですから、クラスター抑止効果などありません。この検査が広がらないのは、月単位で検査をしても意味がない、つまりこんな検査には意味がないと、対象者の多くが理解しているからでは無いでしょうか。
世田谷区の社会的検査なるものが広がらなかったのは、世間の「誤った見解」ではなく、新型コロナウイルスやPCR検査に対して、極々簡単なレベルの話を理解せずに施策を組み立てている世田谷区長自身が原因でしょう。
上記の【世田谷区長肝煎りの「社会的検査なるもの」は意味がない。いよいよ区が公式に指摘を受けたと言って良いでしょう。議会で問うと区もこの指摘を否定できず】(2021.06.17 桃野ブログ)にも書きましたが、区が監修を求めた専門家が、月単位の検査ではクラスター抑制策として意味がない旨を堂々と述べています。
■こちらの画像は令和3年5月26日の福祉保健委員会における区作成の資料「社会的検査で陽性となった事例(78件)のウイルス量に関する報告書」の24ページ。
ただでさえ、他自治体に比べて新型コロナワクチン住民接種が遅れている世田谷区(都内で同時期に接種が始まった八王子市は遥か先を行っています)ですから、区長はこのような意味のない検査に固執している場合ではありません。ワクチン接種など今やるべき施策に予算も労力も注ぎ込むべきです。
世田谷区長はいつまで「自分は悪く無い。周りが間違っている」との発信を続けるつもりなのでしょうか。
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