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世田谷区の桃太郎 桃野芳文Webサイトです
2021-06-17

世田谷区長肝煎りの「社会的検査なるもの」は意味がない。いよいよ区が公式に指摘を受けたと言って良いでしょう。議会で問うと区もこの指摘を否定できず。

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世田谷区議会議員、桃野芳文です。

本日のブログは先の桃野の議会質問から「区長が言うところの”社会的検査”」について。

ユーチューブ「桃野チャンネル」で動画をご覧頂けます。全体40分。時間が無い方は最後の8分間だけでもご覧下さい。

先ずは、区長の言う「社会的検査」とは?復習しておきます。

区長が社会的検査と名付けた施策は、区内の高齢者施設等を対象に、ローラーをかけるようにPCR検査をして回ること。これで施設内での集団感染を防ぐのだそうです。

桃野は、区長のこの施策に対して検査の頻度と間隔の問題を指摘し、一貫して反対してきました。区長はこれを定期的な検査と言っていますが、これは違う。受検した施設の多くは一回こっきり。二回以上受検した施設も稀にありますが、その検査間隔は月単位です。

こちらは参考ブログ↓

医学的・合理的根拠なき「社会的検査」なる施策に反対し組み替え動議を提出。区長の「やってる感」のために多額の税金を投入することなど許されません】(2021.03.24 桃野ブログ)

最近、区長は記者会見等で「慶應義塾大学の西原広史教授の監修のもとで分析した結果から社会的検査の重要性が確認できた」と熱心に喧伝しています。

議会で桃野が、そして桃野の会派「無所属・世田谷行革110番・維新」が、厳しくこの施策を批判し代替施策を提示していることに対抗しているのでしょう。区長はご自身の施策の正当性を躍起になってアピールしています。

しかし、区長のこうした言動はまさに牽強付会。自身に都合よく話をねじ曲げてしまおうとする態度。西原教授の意見は「無症状者を対象にした検査で陽性になった方の中にはCt値が低い方(つまりウイルス量が多い方)がいた。症状の有無で陽性・陰性、感染力の強弱を判断することは難しい。よって定期的なPCR検査がクラスター予防に有用である」と言うものです。そして同時に西原教授は以下述べています。

「検査頻度は潜伏期間を考慮すれば、概ね週一回程度の受診で効率的にクラスター発生を予防できると考えられるが、必要な場合は週に複数回の検査を行うことも考慮すべき」

■こちらの画像は令和3年5月26日の福祉保健委員会における区作成の資料「社会的検査で陽性となった事例(78件)のウイルス量に関する報告書」の24ページ。

つまり西原教授は、これまで我々が何度も区長に指摘した内容と同じく、区長の言う「社会的検査」の頻度や間隔では、意味は無いと言っているのです。(区の検査は大半が一回こっきり。複数回受検の施設も1ヶ月に一度、2ヶ月に一度というところ)

西原教授監修の資料は5月26日の福祉保健常任委員会で報告されはしましたが、この大事な後段の部分に区は、全く触れずじまいでした。これでは、区長にとって都合の良いところだけを意図的に抜き出し議会に示すと言う、いわゆるチェリーピッキング。

今回区に「西原教授は我が会派が再三再四申し上げてきたように、潜伏期間を考慮せず検査をしても意味はない、と言っているのですよね」と問いましたが、区は否とも応とも答えず。何とも摩訶不思議な以下のような答弁が飛び出しました。

5月26日の福祉保健常任委員会でご報告した「ウイルス量に関する報告書」に記載の西原教授のコメントですが、「検査頻度は潜伏期を考慮すれば、概ね週1回程度の受診で効率的にクラスター発生を予防できると考えられるが、必要な場合には週に複数回の検査を行うことも考慮すべき」と述べております。

いやいや、そのままオウム返ししただけでは無いか、それでは。その解釈を具体的に「こういう意味だよね。区としてはどう捉えてる?」って聞いているんですよ。

区長はこれまで、我が会派の議員がいくら「潜伏期間を考慮した検査でないと意味が無い」と指摘しても、その意味を一切理解できないようでした。何度も丁寧に説明しているのに。

例えば、以下は令和3年3月24日の予算特別委員会の会議録。我が会派の大庭正明議員と区長のやりとりです。

ところが、区が監修を受けた教授が同じことを言った途端に答弁は激変。いくら何でも区長はもう黙っているしかなかったのかもしれませんが、社会的検査を担当する所管の部長が出てきて、突如こんなことを言い始めました。以下、6月14日の本会議での区側答弁より。

現在定期検査を1か月に1回程度、スクリーニング検査は東京都の事業も活用し、1週間に1回程度受検可能なことから、ご意見も踏まえ一定程度潜伏期間を考慮した検査体制が構築されているものと認識しております。

もう支離滅裂とはこのことです。潜伏期間を考慮して設計されている東京都の事業に対して、世田谷区長の「社会的検査なるもの」は潜伏期間を考慮して設計されていないのです。それを「両方合わせれば潜伏期間が考慮されている」と。何を言い出すんだこの人たちは、と言うのが桃野の正直な感想です。

もういい加減、こんな意味のない検査に、皆様の大切な税金と区職員の労力を注ぎ込むのはやめた方が良い。今はワクチン接種に力を注ぐべきです。

区長こだわりの社会的検査ではありますが、桃野は「もう意味のない検査はやめましょう」と議場で改めて区長に呼びかけました。ところが区長は相変わらず正面から答えず。今後どうするか判断すると言った答弁でした。

世田谷区長の医学的・合理的根拠なき「やってる感追求型」の施策には、全く困り果てているところですが、少しでもこうしたことが改まるよう、議会から働きかけて行くしかありません。気力を振り絞って頑張って参ります。

質問動画、是非一度ご覧下さい。

 

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