世田谷区の障がい者施設整備。長期・中期の計画に基づいた整備を進めるべき。「数字の責任を背負いたくない」といった考えがあるなら改めなければ。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
本日のブログも先の区議会一般質問より。「医療的ケア児を含む障がい児・者施策」についてです。
質問の様子はこちらの動画でご覧ください。
先ずは、障がい児者施設の所要量について。
世田谷区は令和2年9月に「障害者施設整備等に係る基本方針」を作成しています。これは障がい者施設整備の10年間の長期計画を示したもの。この中で重点課題の一番として挙げられているのが「施設所要量の確保」です。
しかし生活介護、就労継続支援B型ともに、利用者数は年々増加する見込みが示される一方で、「定員数」に示されている数字は令和4年も令和12年も同じ数字。つまり利用者は増えども定員数は増やさない、こんな長期計画になっているのです。
こんな適当に数字を置いただけの長期計画が何の意味もなさないのは明白。区は将来見込みに基づき、地域別に所要量を計算し、それに見合った施設を計画的に各地域に整備すべきです。
この指摘に対し区は、前述の長期計画において整備見込み量(定員数)を反映していなかったことを認めつつ、実際には計画的な整備を進めている旨の答弁でした。必要な整備を進めるのは当然ですが、それも行き当たりばったりではダメ。きちんと長期計画を立て、それを中期計画に落とし込み、計画的に整備を進めなければなりません。仮に「数字の責任を背負いたくない」「ノルマは嫌だ」といった考えがあるなら改めなければなりません。
次に、医療的ケア児・重症心身障害児について。
区によると、区内の医療的ケア児は、令和4年4月の時点で189人(推計)。また令和4年4月の時点では、愛の手帳と身体障害者手帳の重複者が147人。
医療的ケア児や重症心身障がい児が通える児童発達支援、放課後等デイサービスは、区内に14施設ありますが、所在地や定員数等により、希望する全員が通所できる状態にはなってないことを区は認めています。
今後、医療的ケア児は年間4~5人程度の増加傾向が続くとの見込みでもありますので、区は更なる施設整備に取り組まなければなりません。これについて区は今回、「医療的ケア児の動向や各地域の施設数、利用人数を把握しながら、障害特性や必要な支援を提供できる施設整備に取り組む」と答弁しています。
更に桃野は、施設整備のためには、事業者への支援、補助金のあり方も見直すべきだと提言しました。桃野が、区から事業者への補助金は、利用定員や出席率の基準で支払われており、これでは、急な入院や体調不良等による当日キャンセルで利用率が低下すると、補助金の減少につながり、施設経営に影響を与える、改善すべきとの趣旨で提案すると、区はこれを認め、「ご提案の内容を含め既存施設の運営を補助する仕組みの工夫は必要だと考えいる」と改善に向けて前向きな答弁をしています。
今回の質問では、障がい児、障がい者の方々が利用する施設の整備を計画的にしっかりと進めるべき、そのための予算をしっかり割くべきとの趣旨で具体的な施策とともに提案をしました。区の答弁はいずれも前向きだったと思います。
今回の質問で取り上げた提案の実現に向けて、今後もしっかりと区施策の進捗を確認していきます。
障がいがある人にとっても無い人にとっても「いつまでも住みたい街、世田谷」をつくっていかなければなりません。
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