世田谷区長が「いつでも誰でも何度でも」とぶちあげたものが大きく形を変えた「社会的検査」。議会答弁を聞く限り、事務方の区職員は「この施策は間違い」と理解している。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
本日の新型コロナ新規陽性者は東京で409人。日毎の新規陽性者が200人〜300人から中々減らない日々が続いていた中、今日の400人という数字。「また増えるのか」との心理的な影響は大きいですね。
【速報 JUST IN 】東京都 新型コロナ 409人感染確認 400人超は先月18日以来 #nhk_news https://t.co/EBKlf2rfLd
— NHKニュース (@nhk_news) March 17, 2021
一方、首都圏の非常事態宣言解除に向けた動きも進んでいるとのことですが、政府の諮問委員会はどう言った意見を出すのでしょうか。
【速報 JUST IN 】首都圏1都3県の緊急事態宣言 21日解除へ あす正式決定 菅首相 #nhk_news https://t.co/CjiFwgv8DR
— NHKニュース (@nhk_news) March 17, 2021
桃野は「このタイミングで解除」には世論がついてこないのではないかと思います。指標も大切ですが増えているのか減っているのか、そのトレンド(タイミング)も国民の支持を受ける上では考慮すべきではないかな。
さて現在、世田谷区議会は予算特別委員会の会期中で、昨日は福祉保健委員会領域の質疑が行われました。当然、世田谷区長の肝煎り政策「社会的検査」なるものについても質疑が行われました。
我々はこれまで何度も、仕組みが中途半端すぎて意味がない、単なる区長の「やってる感」のために税金が無駄に使われている、貴重な税金は直接的に高齢者施設での感染拡大を防ぐための施策に投じるべきと言い続けています。
こちらは過去ブログ↓
【世田谷区長の新型コロナ対策「社会的検査」。全くうまく行ってない施策を、さもうまく行っているかのように発信するのはやめた方が良い】
区長が、高齢者施設を全区ローラーをかけるように検査をすると言っている「社会的検査」。
区長はさも成功しているように喧伝していますが、今年2月8日時点の区の発表では、区内対象施設1,500ヵ所のうち検査を受けた施設は302ヵ所、受検割合は20.1%(受検人数では26.8%)にしかすぎません。要は検査を希望する施設は少ないという結果。
そして定期検査というのも名ばかりで、実態は昨年10月から今年3月の期間の中で、多くの施設で検査は一回こっきり、ごく一部の施設でせいぜい2回検査をしたと言うのが実態ですから、決して「定期検査」と言えるものではありません。
これまでこの「定期検査」で陽性者が見つかった施設もあります。3月8日時点の区のHPによると、昨年10月2日から今年3月7日の間の「定期検査」検査数(人数)は9,163人、そのうち陽性となった方は23人。
しかし、その23人が勤めるそれぞれの施設、つまり定期検査で陽性者が出た施設で、その後二度目の検査を受けた施設は一つもありません(世田谷区保健福祉政策部の担当所管に確認済み)。陽性者が出た施設ですら、一回こっきりの検査でしかないのですから社会的検査なるものが「無症状の感染者をいち早く見つけるための検査」になどなるはずがないのです。
こんなことを貴重な税金を投じて行い、さもうまくいっているかのようにメディアを利用して喧伝しているというのが世田谷区長の姿。
昨日の予算特別委員会(福祉保健委員会領域)では、我々の会派から大庭正明議員が質疑を行いましたが、大庭議員の質問に対して、この定期検査の責任者である保健福祉政策部の有馬次長、福祉保健領域の事務方のトップである中村副区長は以下答えています。(以下は要約)
■中村副区長
社会的検査のうちの定期検査は、「頻度」と「受検してない施設がある」のは課題。受検してない施設が受けやすいものに変えて行く。頻度についても頻度の短縮化を検討して行く。
■有馬次長
制度設計として、入所施設については頻度が足りてないのは十分承知している。
しかし、それらの答弁に対して大庭議員が「具体的に策はあるのか、具体的な策が整ってから予算案を出すのが当たり前ではないか」の旨を問うても、区側は答弁に窮するばかり。
そもそもは、保坂展人世田谷区長が「いつでも、誰でも、何度でもPCR検査」とぶちあげ、それがいつの間にか形を変えて行われている「社会的検査」。迷走に迷走を重ねた上で、区長が押し通した施策ですが、区の職員は、本心では「この施策は間違いだ」と理解しているのだと思います。
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