これが実現できればそのメリットは巨大!全国の地方自治体の情報システムを統一できるか。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
今朝の日経新聞一面トップはこんな記事。
【行政システム、乱立に歯止め 自治体の仕様統一へ国が新法 既得権の壁、難航も】
政府は約1700ある地方自治体の情報システムの仕様を統一します。
2025年度までの実現に向け、どのような課題があるのでしょうか。
12月3日、日本経済新聞朝刊のポイントをお届けします。#朝刊1面を読もうhttps://t.co/1Wg1Qkb79t— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) December 2, 2020
区役所は住民情報や税、社会保障など様々な情報を管理し、住民サービスを提供します。こうした業務を支えるのは「情報システム」ですが、これが自治体ごとに乱立していて、国全体で見れば非常に業務効率が悪い。更に各自治体、基幹システムに新たに機能を継ぎ足し継ぎ足し運用しているのでシステムが複雑化してしまっているという問題も指摘されています。こうした問題は「2025年の崖」という言葉で語られ、民間企業も含めて同様の問題が指摘されています。これらのことについて桃野は以前、世田谷区役所のICT推進課長(民間企業からの出向)と意見交換したことがあり、今朝の日経新聞の記事は割とすんなり頭に入ってきました。
今般の新型コロナウイルス禍で、行政のシステム面における問題点が数々露呈しました。一人10万円のコロナ給付金の給付に時間がかかってしまったこともその一つと言っていいでしょう。当初は「マイナンバー制度を使って、さくっとオンライン申請、速やかに給付される」と考えていた方も多いと思いますが、全くそうはなりませんでした。
政府は今般、地方自治体の情報システムの仕様統一のための法律を整備し、予算もつけるとのこと。上記記事では2025年までの仕様統一を義務付けるとしています。
これまで各自治体は、それぞれがベンダーと呼ばれる企業にシステム開発を発注してきました。これも記事で指摘されていますが、総務省の2018年の調査では、人口10万人以上の自治体の約83%が業務ソフトを独自開発しているかカスタマイズしていて、それを受注しているのはNEC や富士通、日立製作所、NTTデータなどの大手ベンダーやその子会社。国、全国の自治体が同じ仕様のシステムを導入すれば導入費用、保守などの運用費用は確実に低減するでしょう。そのためには大手ベンダーと呼ばれる各社に共通仕様作りへの協力もお願いしなければなりません。これはまさに国がリーダーシップを持って進めなければ実現困難な仕事。その上で世田谷区も含めて各自治体が、どのようなシステムが必要なのか現場からしっかり伝えるなど、国、各自治体の連携も欠かせません。世田谷区としてもしっかりと対応していかないと。「25年の崖」から落っこちることなど許されません。
■平成30年9月、経済産業省の「DXレポート」より
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