インフルエンザの予防接種。無料で受けられる?それとも有料?その違いとは・・・
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
世田谷区議会は決算特別委員会の会期中。桃野は先の「総括質疑」に続き、本日「福祉保健委員会所管質疑」を行いました。以下は先日の総括質疑のブログ。
【時間が限られているのに、関係ないことをベラベラしゃべる世田谷区長。質問妨害ではないか】(2020.10.02 桃野ブログ)
本日取り上げたのは、インフルエンザの予防接種について。今年は、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行を抑えようと、インフルエンザの予防接種についても例年と異なる取り組みが始まっています。
■質疑の様子は以下の動画でご覧ください。18分程の動画です。
国は、重症化しやすい高齢者等を対象に、10月1日からは「優先摂取」の時期としています。先ずは65歳以上の高齢者や重い持病のある60歳から64歳の方への摂取を優先、26日以降、医療従事者や持病のある人、妊婦、生後6ヶ月〜小学校2年生の子どもを優先しつつ、一般の方も摂取をと呼びかけています。
世田谷区では例年、インフルエンザの予防接種は、65歳以上の方、60歳以上の障害のある方などは、2,500円までを自己負担として、それを超えた部分は区が助成することになっていました。ところが今年は前述のように新型コロナウイルスとの同時流行を警戒し、対象の方には強く摂取を勧奨するため自己負担を無し(無料)としています。
例年の自己負担分2,500円は東京都の負担、それを超える部分は区の負担という仕組み。例えば、仮に予防接種の費用が4,500円の場合、2,500円は都が、2,000円が区が支払い、予防接種を受ける方の自己負担は0円です。
ところがあまり知られていませんが、65歳以上の方が、医療機関に行ってインフルエンザの予防摂取を自己負担なしで受けようとしても、「うちでは自己負担無しで予防接種は受けられない」という医療機関があります。
これはその医療機関の医師が、医師会に加入しているか否か、つまり医師会の会員か非会員かによる違い。医師ですから、安全に注射が打てることは大前提のはず。加えて、これまでどれだけの数の予防接種を安全に行っていたとても、その医師が医師会の非会員であれば、その予防接種は「無料」の対象とならないというのが現在の仕組みです。
ちなみに医師会は、日本弁護士連合会のような強制加入団体ではなく、その加入は任意です。しかも今年はインフルエンザについては特別な対応となっているにも、関わらずのこの仕組み。
なぜこんなことになっているかと言えば、これはインフルエンザの予防接種事業を世田谷区が「医師会と契約」しているから。各医療機関が個別に契約をして欲しいと言っても世田谷区はそれを認めていません。
ちなみに、予防接種の事業について、医師会の会員か非会員かで区別をせず、個別契約の仕組みを取り入れている自治体もたくさんあります。(例えば世田谷区のお隣、杉並区など)。
繰り返しになりますが、今年はコロナ禍の中であり、いわば非常時。ひろく、素早く、公平に予防接種が受けられるように「個別契約」の仕組みを取り入れるべきでは無いかと区に求めましたが、今日の区の答弁はまさにゼロ回答。医師会の会員にならなければダメ(区の助成の対象にならない)との答弁でした。残念。
今後、新型コロナウィルスのワクチン摂取もあるでしょう。世田谷区は、その時も同じような仕組みでやるのでしょうか。
新型コロナウイルス感染症が流行している状況で、この医療機関は無料、この医療機関では有料、又この医療機関では摂取できる、この医療機関では摂取できないということで良いのでしょうか。新型コロナのワクチンをひろく、素早く多くの方に行き渡らせるには、集合契約(国保連合会を通じた事務)など、ワクチン摂取を多くの医療機関で受けられるようにすべきというのが妥当でしょう。そう言ったことも視野に入れ、今後はインフルエンザの予防接種等も含め、個別契約の仕組みを導入すべきだと考えています。引き続き区に働きかけて参ります。
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