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2020-06-27

独身中高年の6人に1人が働いていない。親の介護で離職、その後も仕事を諦めてしまう例も。

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世田谷区議会議員、桃野芳文です。

政治が解決すべきことの一つに、困窮状態にある方々をいかにそこから救い出していくかという問題があります。我が国には”最後のセーフティーネット”と言われる「生活保護」という制度があり、いかなる人も安寧に生活していくことができることになってはいます。これは、日本国憲法にて定められていること。

第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

しかし、この生活保護制度を自身の意思で利用しない方もいるし、制度を利用するに至らないその一歩手前で苦しんでいる方もいるのが実態です。例えば「ミッシングワーカー」という概念。以下の本には、こうした実態が詳細に解説されています。

ミッシングワーカーの衝撃 ー働くことを諦めた100万人の中高年ー NHK出版

本書によると、40代、50代の独身中高年は、650万人。そして今、そのうち6人に1人が働いていないというのが実態です。親の介護などを理由に離職し、その後も仕事をすることを諦めてしまう「ミッシングワーカー」と言われる人たち。これまで”働き盛り”と言われていた世代にも厳しい現実が突きつけられています。

背景にあるのは、およそ800万人と言われる非正規労働者の増加。これは40代、50代の人々にとっても強い影響を与えています。この世代が幼少期を過ごしたのはいわゆる「高度成長期」。子ども時代には中流家庭で時代の恩恵に与ることができたものの、その後のバブル崩壊、雇用市場の流動化、非正規という就労形態の普及などにより「非正規第一世代」とも称されます。収入が不安定、又常に職に就けることを保証されていないことで抱える経済的リスクを抱える人が多い世代。

加えてミッシングワーカーとなってしまう大きなリスクに親の介護があります。40代の親70代、50代の親80代、この10年の違いでそれぞれ異なった事情があるものの、親の介護が必要になり、それを自身が担うと決めた中高年は、やがて介護を理由に離職してしまう例が少なくありません。親の年金があり、最低限の生活ならできる。親の面倒を見なければならない以上、離職はやむを得ない。そんな考えからです。

しかし、子育てと異なり、介護はこの先何年続くか先を見通すことができません。さらに年々親の要介護度が増し、介護する側の負担が増していくのも子育てとは異なるところ。そんな中で、10年、20年と働けない期間が長引けば、介護者の社会からの孤立は進みます。その中で仕事を探すことさえ諦めてしまう人が少なくありません。そして親亡き後はどうなるか。自身は50代、60代、10年単位で親の介護に専念していた、こうした方の就職が容易でないことは誰しもが理解できるでしょう。

統計上、失業者とされるのはハローワークなどで求職している人を指し、40、50代では約72万人とされています。一方で働くことを諦めている人、求職活動さえできなくなる人は、統計には反映されません。これはまさに労働市場から消えてしまった方々。こうした人たちを、労働経済学の専門家は「ミッシングワーカー(消えた労働者)」と呼び、その数は実に103万人とされます。この方々をどう社会につなげていくか。親亡き後にどう雇用につなげていくかは大きな課題です。

かつて40代、50代の中高年世代は、結婚して一家の大黒柱として働いてたり、専業主婦として家事や育児を担ったりしていて、貧困や孤立などの問題が生じ難いという見方をされて来ました。つまりその世代で働いてないのは本人に問題があるから。大人なんだから、その気になれば、生活上のリスクを自分たちで解決できるはずだと考えられて来たのです。

しかし、時代と共に社会が抱える問題は変化します。今は中高年であっても非正規職員、未婚、親の介護が必要となってしまう方は少なくありません。そしてその方々が「ミッシングワーカー」になってしまうリスクは決して低くない。

かつて職がなく経済的に不安定、それが社会的孤立に繋がるといえば、20代、30代に焦点を当てるべき問題と考えられて来ました。しかし今やそうではありません。中高年の介護離職という問題も鑑みながら、幅広い年代を対象に生活支援、就労支援を考えなければなりません。世田谷区においても、介護、就労、生活支援など、様々な所管に横串を通し、中高年も対象としながら取り組んでいくべき問題です。

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