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2012-05-27

片山さつき氏は正義か。お笑いタレントの母親の生活保護費不正受給報道の件。

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あるお笑いタレントの母親が生活保護を受けていたことが大きな話題になりました。
「タレントの息子に、立派な収入があるのに、なぜ母親が生活保護を受けるのか。この親子はけしからん」ということのようです。
自民党の参議院議員片山さつき氏がこの問題を取り上げ、厳しい追及をはじめたことで、この親子が実名で大きく報道されることになりました。
もちろん、生活保護の不正受給が増える中、その受給の仕組みや認定の構造に問題があることは事実です。
でも、正直、私は片山さつき氏の行動に違和感を感じざるをえません。
先ず、この親子の例は、少し生活保護の問題を勉強すれば一つの典型例だとわかります。
例えば、ある家族で親が病気で働けず、生活保護を受け始めた。
保護費の受給がはじまり、数年を経て子どもが高校生になり、生活費の足しにとアルバイトを始めた。
生活が苦しい中、アルバイト収入を申し出ず従来と変わらぬ金額の保護費を受け取っていれば「不正受給」ということになります。
このお笑いタレントの収入がいかほどかは知りませんが、構造としては同じ。
ある種の典型例です。
これを国会議員である片山さつき氏が、本人を特定し、メディアに大々的に乗せる形で追及することは、彼女が考えているほど大きな正義であるとは思えません。
生活保護の仕組みについて考え、問題提起するのが政治家として彼女がやるべきことであって、お笑いタレントの家族を特定し批判することはワイドショーや週刊誌にまかせればいいのです。
さらに言えば、タレントの母親は生活保護を受ける際に福祉事務所と相談をし、手続きを行っているはずです。
本件で役所は、扶養義務者による扶養(仕送りなどの援助)の可否の調査を正しく行っていたのか。
国会議員であれば、「役所に怠慢があるのではないか」という視点から入るのが、あるべき姿ではないでしょうか。

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