骨髄移植等を受けた子ども達への助成制度がスタート。再度の予防接種が無料になります。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
小児ガンに罹り、その治療を受けた子どもは、過去受けた予防接種の効果が消えてしまうことがあります。その時は感染症予防のための新たな負担が必要にー。
先ずはこちらの記事をご覧ください(2019.02.05、東京新聞)。
【がん治療で抗体が失われた子 再予防接種に助成を 東京都北区で署名1万3000人】
記事の要旨は以下。
・骨髄移植や抗がん剤投与のがん治療により、治療前に受けた予防接種の抗体が失われるケースがある。
・予防接種法に基づく定期予防接種は公費負担で無料だが、再接種は対象外。
・再接種を全て自己負担すれば20万円ほどが必要。
・厚生労働省によると、昨年7月時点で89自治体が再接種の費用を助成している。
・北区では、再接種費用の助成を求める署名活動が行われている。
(引用以上)
例えばこんなケース。
Aさんは乳児、幼児の頃、麻疹の予防接種を済ませていましたが、その後、白血病に罹患して骨髄移植を受け、予防接種で得た免疫が消失してしまった。
Aさんは白血病の治療が終わり、感染症予防のために再度予防接種をすることに。
その場合は再接種ということで、任意、自費で再接種することになるというのが、これまでの制度(一部の自治体では助成あり)です。
これでは「Aさんが白血病に罹ったことは自己責任」と言っているようなものでは?当事者家族から助成を求める声が上がるのも理解できます。
さて上記報道から約1年で、世田谷区のお話。
世田谷区でもようやく予防接種の再摂取に対する助成制度がスタートすることになりました。
■対象者は下記いずれにも該当する方。
1)骨髄移植、抗癌剤の使用などにより、既に摂取した定期予防摂取で得た免疫が消失し、医師から再接種が必要と判断された方
2)再摂取日において世田谷区内に住民登録を有する20歳未満の方(20歳を過ぎた方は罹患リスク、重症化リスクが低い為)。
■対象となる予防接種、摂取回数
・予防接種法A類疾患(ジフテリア、百日せき、破傷風、急性灰白髄炎(ポリオ)、麻しん、風しん、日本脳炎、結核、Hib(ヒブ)感染症、小児の肺炎球菌感染症、ヒトパピローマウイルス感染症、水痘、B型肝炎)に定められている予防接種及び規定の回数(要事前申請)
■摂取費用
無料(償還払い=一旦全額負担の後、申請して払い戻しを受ける)
■開始時期
令和2年4月1日
東京の23区内では既に、12区が助成制度を導入済み。上記記事にある北区でも既に制度がスタートしています(足立区、台東区、新宿区、文京区、渋谷区、練馬区、大田区、北区、江東区、葛飾区、千代田区、豊島区)。そこに今般、世田谷区も加わります。
子ども達を守るという意味でも、感染症の蔓延防止という社会を守っていくための施策としても、これは良い取組みだと考えます。
コメントを残す