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世田谷区の桃太郎 桃野芳文Webサイトです
2018-10-12

「住み心地の良い世田谷」のためには、広告物を周囲の風景と調和したものに変えていくことも大事な施策です。

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世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
世田谷区議会は現在、決算特別委員会の会期中。
本日のブログは、決算特別委員会「都市整備領域」での桃野の質疑から。
今回は大きく3つのテーマを取り上げました。
・世田谷区の風景づくりについて
・喜多見駅前、道路用地における迷惑駐輪について
・区道が不法占拠されていることについて
今日は一つ目「世田谷区の風景づくり」についてご報告します。
戦後、主要都市の多くが焦土となってしまった、もしくは大きな痛手を負ってしまった我が国は、昭和30年代の「高度経済成長期」と呼ばれる過程を経て経済的な豊かさを手に入れてきました。
その間、まちづくりの主眼となったのは「都市の急拡大における安全性の確保」や「新たな住宅供給」で、「地域の個性や快適性」は後回しになってきたと言えるでしょう。
それが昭和40年代になると国民の価値観に少しずつ変化が生まれてきます。「行きすぎた開発」や「地域のシンボルとなる資源の喪失」に対して社会的な関心が高まり、国会では「古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法」が成立するのもこの頃。
昭和50年代には、横浜市や神戸市など景観まちづくりの先進自治体と言われる自治体が出て来て、続いて平成に入ると「景観条例」を制定する自治体が急激に増えていきました。世田谷区もこうした流れの中で、平成11年に「風景づくり条例」を制定しています。
世田谷区風景づくり条例。
その前文には、こんなことが書いてあります。(一部抜粋)
「私たちのまち世田谷は、武蔵野台地に広がる成熟した住宅地、豊かに流れる多摩川、多摩川から野川沿いに続く緑の国分寺崖(がい)線、世田谷の原風景とも言える農の風景、歴史が織り込まれたまち、にぎわいのあるまちなど人々の生活や文化に根差した個性的で、多様な都市風景を形づくっている。 風景は、風土と文化や歴史の表れであり、そこに生活する人々によって創造され、受け継がれて きたものである。それゆえ風景は、そこに生活する人々のまちへの愛着を深め、地域の個性や価値観を形成するものであり、そこに生活する人々の貴重な共有の財産である。
桃野は、これ、とても良いことが書いてあると思うのですが、一方で、世田谷区の風景づくりもまだ道半ば、世田谷区民の多くがこれは区民の共有財産だと愛着を持っている風景というのは確立されていないのではないかと思いますし、引き続き、こうした課題について行政と議会がともに取り組んでいかなければいけないと考えています。
そして、この「世田谷区風景づくり条例」、今年3月に一部改正が行われています。
大きな改正点は「世田谷区内を走る都道、環状七号線、環状八号線に面する敷地内に屋外広告物(例えば看板)で表示面積の合計が10平方メートルを超えるものを設置、または表示内容を変更するときは世田谷区の示す「風景づくりガイドライン」に基づく区との事前協議が必要となりました。
要は、広告物の色彩や大きさ・位置、デザインについて周辺の風景との調和に配慮してくださいということ。
例えばこんなイメージ。
スクリーンショット 2018-10-12 22.13.15
スクリーンショット 2018-10-12 22.13.35
7月1日以降の許可申請を対象に、事前協議が始まりましたが、区の答弁によると、これまで6件の事前協議が行われ、事業者の皆様にも区の風景づくりの取り組みを理解していただきながら良いスタートが切れているようです。
当然、今後も協議が好調に推移し、風景と調和した広告物が増えていってほしいなと思うのですが、一方で事前協議が行われない環状七号線、環状八号線以外の地域の広告物、また許可申請が必要のない10平方メートル以下の広告物についてどう周囲との調和を生み出していくかは課題。
特に世田谷区の多くの面積を占める住宅地では、小規模店舗や時間貸し駐車場の意匠なども風景づくりに大きな影響を与えます。
例えば、こういう風景↓を、
スクリーンショット 2018-10-12 22.20.52
こういう風景↓に。
スクリーンショット 2018-10-12 22.21.03
これまで区は、事前協議が必要な環状七号線、環状八号線以外の部分には、ほとんど施策を投入していないことが質疑で明らかになりました。
例えば駐車場の看板を例にとっても、区の方から大手駐車場チェーンに出向いて、世田谷区の風景づくりにご理解をいただくよう話をすることも必要でしょう。
その他にも、建物を建築する時に区に提出する確認申請図書の審査や、建築に伴う許可の審査を担当する建築確認課などと連携し、多くの方に世田谷区の風景づくりガイドラインにご理解を求めるなど、区の縦割り行政(所管)にとらわれることなく、やれることもあるはずです。
桃野は今回の質疑の中で、風景づくりのためには、区の職員がもっと外に出て事業者と話をするなどのアクションも含めて、提案を行っています。
区民にとっての「住み心地よさ」のためには、広告物を周囲の風景と調和したものに変えていくことも大事な施策だと考えています。
■質疑の様子を是非こちらの動画でご覧ください。

 

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