政治家がお金を受け取って”口利き”をしてもセーフ? なんとも分かりづらい、違法な口利き。合法な口利き。
世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
甘利明・前経済再生担当相。
かつては、安倍政権を支える大物として政界に君臨していましたね。
「3A1S」なんて言われていました。
(安倍、麻生、甘利、菅)
その甘利氏。
”現金授受問題”で閣僚を辞任。
そして、あっせん利得処罰法違反、政治資金規正法違反で告発されていました。
しかし東京地検特捜部の出した結論は「甘利氏と元秘書二人を嫌疑不十分で不起訴」。
■こちらは毎日新聞の記事。
事件の構図は以下です。
2013年、千葉県の建設会社薩摩興行は都市再生機構(UR)と補償交渉中であった。
薩摩興行側が、URへの口利きを依頼して甘利氏側に600万円を支払った。
甘利氏の秘書(当時)が、UR側と複数回の面談。
その後、URから建物の移転補償費として、2億2千万円が薩摩興行に支払われた。
今回、甘利氏が不起訴となったのは、東京地検特捜部が「影響力の行使」を立証できなかったからです。
簡単に言うと、口利きにも違法な口利きと合法な口利きがあるということ。
例えば、甘利氏側がURに対して「国会で取り上げるぞ」と言ったり「(URが関係する)○○法案に反対するぞ」と言って、口利きをし、お金をもらっていたらアウト。
逆に、そういうことは言わずに、あくまで「お願い」に終始。
権限の行使をチラつかせず行った口利きはセーフということ。
でも、これ釈然としない方も多いのでは?
前述しましたが、甘利氏は、時の政権内の有力者でしたから、直接的な権限はなくとも、UR側に強いプレッシャーがかかったと考えるのが普通だと思うんですけどね。
そして、何より政治家として、いけないのは、甘利氏が”逃げまわっている”こと。
甘利氏は1月の辞任会見で「(詳細は)調査を行い、しかるべくタイミングで公表する」と言ったっきり、ご本人は「睡眠障害」として自宅療養に入ってしまいました。
未だ、会見以来一度も公の場に現れていません。
国会も欠席。
確かに、今後の行く末が、心配で心配で眠れないということもあるでしょう。
しかし、一国の大臣であったものが、その疑惑に答えず雲隠れとはなんたることでしょうか。
説明しないという意味では、最近、都民の怒りを買っている舛添都知事も然り。
もちろん「説明責任を果たさない」というのはそれ自体、法に触れる行為ではありません。
法律で決着をつけることではない。
しかし、だからこそ、有権者は政治家の言動に関心を持ち、慎重に自らの一票を行使しなければならないのでしょう。決して喉元を過ぎても熱さを忘れてはいけません。
まあ、それが彼らの狙いなのだけれど。
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