世田谷区が「たまがわ花火大会」での消費税など申告漏れ。区長は「反省しなければならない」と答弁。現在、金額の規模などを調査中とのこと。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
本日は世田谷区議会本会議2日目。桃野は一般質問を行いました。今回のテーマは大きく4つ。
1.奨学金制度の拡充について
2.医療的ケア児へのサポートについて
3.ワクチン接種について
4.世田谷区が関連するイベントの収益について
本日のブログでは「4.世田谷区が関連するイベントの収益について」ご報告です。
「世田谷区が関連するイベント」とやや遠回しな表現を使いましたが、実質的に世田谷区のイベントであるものの中には、区主催ではなく、区が共催しているものや実行委員会形式のものがあります。
公共団体である世田谷区は公共法人なので法人税は課税されませんが、実行委員会はPTAや大学のサークルなどと同様、税法上は「人格のない社団等」として法人とみなされることになり、収益事業から得た利益には法人税が課税されます。
実行委員会形式のイベントであっても事務局は役所に置かれ、その実務の大半を役所の職員が担っていることが少なくありません。そうしたイベントにおいては役所に、法人税や消費税がかかるという認識が欠けているケースがあるようです。近年、実行委員会形式のイベントの収益について国税局等から申告漏れを指摘され、加算税、延滞税を含めた納税を求められる事例が散見されます。
最近ではつくば市が事務局を務める「つくばマラソン実行委員会」の例があります。今年4月、同実行委員会が、課税対象事業者であるにもかかわらず、納めていなかったとして、過去5年間にさかのぼり、消費税と源泉所得税計121万8934円を税務署に納付したと発表しました。茨城新聞のウェブ版2022年4月19日の記事を見ると「広告費や物品販売費の売上高が1千万円を超えており、消費税の納付義務が発生していた。スタッフへの報酬などで源泉徴収もしていなかった。」とあり、つくば市の担当者の「職員の知識不足や公益事業のため非課税という先入観があった」とのコメントを掲載しています。
さて、世田谷区では正しく課税申告をしているのでしょうか?
今回の質問に対する区側の答弁では、世田谷区の「たまがわ花火大会」においては、花火協賛、広告協賛、有料観覧席販売などありますが、それらについて消費税の申告はしていないとのこと。
法人税についてはどうでしょう。他自治体の例ですが、長野県松本市で2年に一度開催される「信州・まつもと大歌舞伎」では、2015年3月、主催する実行委員会が法人税・消費税の申告漏れを指摘され、加算税、延滞税を含めて約3500万円を納付しています。又札幌市で開催される「サッポロ・シティ・ジャズ」でも収益事業をおこなっていながら法人税を払っていなかったとして2010年、過去3年間2007年まで遡って過年度分の法人税と加算税を納付しています。
前述のたまがわ花火大会も含めて、世田谷区の各イベントにおいて、法人税や消費税の申告漏れは無いでしょうか。特に繰越金が継続しているものについては利益が出ているということになり税の申告が必要なのでは無いでしょうか。イベントの収益に係る取り扱いついては税務当局と区の見解が異なっているということは無いでしょうか。
区側の答弁では、やはりこれまで課税申告をしてこなかったことについては極めて不適当だったという認識に至ったようです。桃野の質問に対して区長は「反省しなければならない」と答えています。
具体的に、どれぐらいの申告漏れがあり、どれぐらいの税金を遡って納めなければならないか。これについて区は調査を始めたとのこと。今後の区の調査結果を待ちたいと思います。
それにしても、実行委員会形式のイベントに対する課税は、桃野が知る限りでも、ここ10年、15年の間、全国的に問題が指摘されてきました。その間、世田谷区はそうした事例に注意を払わず、漫然と課税申告を怠っていたんですね。
世田谷区は「税金を取って、それを原資に活動する」立場。その世田谷区が「税金を払う立場」になると、こういういい加減なことをやっているというのは大変な不祥事と言っていいでしょう。
質問と答弁の様子は以下の動画でご覧ください。①は本ブログのテーマに関する部分を抜き出した9分程度の動画。②は今回の桃野の一般質問の全体の動画です。
①【世田谷区が申告漏れの件、動画でまとめました】
②【奨学金制度拡充、医療的ケア児支援など含め、桃野の一般質問全体の動画です】
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