児童虐待死事件。区は、犠牲となった子ども達の死を決して無駄にしてはならない。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
本日のブログも桃野の一般質問より。「2.児童虐待への区の対応について」をご報告します。
■質問の動画はこちら
全国の児童相談所が2019年度に対応した虐待件数は前年度比21.2%増の19万3,780件。統計を取り始めた1990年度以降、29年連続で過去最多を更新しています。(11/18厚労省発表)
内容別では、子どもの前で親が家族に暴力を振るう面前DVなどの心理的虐待が全体の56%と最多。身体的虐待は全体の25%。育児放棄(ネグレクト)は全体の17%でした。桃野は昨年6月14日の区議会本会議一般質問で、世田谷区の児童相談所開設に先立って示された計画書案に、人権・男女共同参画課や配偶者暴力相談支援センター、DV等支援措置の実務の窓口になる出張所などとの連携について一切記載がないと指摘し、DVと児童虐待は一体で取り組まれるべき問題だと述べました。
DVへの対応と児童虐待への対応が連携不足であってはいけません。今回の一般質問では、児童相談所が開設して半年以上が過ぎた今、DV被害者と繋がる前述の所管と、子ども家庭支援センターや児童相談所は、桃野が提言したように連携できているのか確認しました。区の答弁では桃野の指摘を受けて各所管との連携について計画に反映した旨の答弁があり、続けて以下内容の答弁がありました。
・DV相談や支援が必要な方を把握した際には、配偶者暴力相談支援センター機能を担う子ども家庭支援センターへつなぐなどの対応をしている
・子ども家庭支援センターは、DV相談を受ける女性相談担当が当該家庭に子どもが同居していることを把握した際には、虐待相談担当も面接に同席するなど、両担当で情報を共有しながら、その後の支援や対応を行っており、必要に応じて児童相談所へも情報共有や対応を依頼している。
・児童相談所による子どもの一時保護と、子ども家庭支援センターによる母親の避難の支援を連携して行うことで、母子の安全を確保したケースなどもあり、緊密な連携が図られている。
・引き続き、支援措置の窓口と、子ども家庭支援センター、児童相談所が適切に連携しつつ、警察をはじめとする関係機関と連携を図りながら、DV被害者と子どもの確実な安全確保に取り組んでいく。
他自治体で起きた虐待事例の検証についても質問しました。
桃野は10月16日の本会議でも、改めて関係所管、関係機関の連携を区に促すと共に、近年、社会的に大きな注目を集めた虐待事件の事例研究にも取り組むことを求めました。
今年6月、3歳女児が自宅マンションに置き去りにされ衰弱死した事件については大田区が検証を行い、9月に報告書をまとめています。報告書には、母親が死亡した女児の3歳児検診を受けさせていなかったことも記載されていました。厚労省は都道府県に対し、未受診家庭で子どもを確認できない場合は児童相談所と連携して対応するよう通知しており、未受診は虐待の早期発見の機会となったはずです。
今回の一般質問で桃野は「世田谷区ではこうした未受診家庭にどのように対応しているか」と問いました。又、万が一世田谷区で虐待死事件が起きた場合、検証結果はしっかりと公表されるのかについても問いました。
大田区で起きた悲劇を繰り返してはいけない、そして万が一そのようなことが起きた場合は、仮にその責任の一端が区にあったとしても、それらを明らかにすることは再発防止にむけた区の責務だとの思いからです。
区の答弁は以下内容。
・乳幼児健診未受診者については、通園する保育園などの情報の把握や、必要に応じて総合支所子ども家庭支援課と連携して訪問等を行うなど、子どもの安全確認を行っている。
・健診未受診のほか、未就園・不就学児童等も含め、福祉や医療等の利用情報などから安全確認ができない児童は、児童相談支援課等による訪問を行っている。
・これまでの重篤な事件の反省に基づく安全確認の徹底とともに、支援に携わる職員のアセスメント力向上に努め、子どもの死をむだにせず、決して繰り返さないという強い決意のもとで、子どもの命と安全の確保に取り組む。
・検証は、国が示す検証の手引きに基づき実施する。検証結果報告にあたっては、生育歴や障害の有無など、関係者の個人情報の中でもプライバシーに関わる部分は、対象者に不利益が生じないよう特に配慮を要するものであるため、慎重に取り扱わなければならないとされており、区においてもこれに沿いながら公表について判断する。
・仮に区においてこのような事態が生じた場合、検証報告を真摯に受け止め、同様の事例が発生することがないよう、必要な取組みを推進していくとともに、明るみに出た問題点や必要な対応策などを区内外に発信するという公表の意義を的確に認識しながら、今後の徹底した再発防止に取り組む。
区は今回、乳幼児検診未受診者や未就園、不就学児童等に関する安全確認は徹底するとしています。自ら答弁しているように、これまでの事例、犠牲となってしまった子ども達の死を決して無駄にせぬよう取り組みを進めなければなりません。
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