渋谷で起きてる「一票」の話
選挙というのはシビアな世界です。
志があり、政治家としての能力があったとしても、選挙で負ければ議員になることができません。
国会、地方議会問わず、それが前提。
逆に選挙で勝てば、志や能力のいかんは問わず、議員になることができる。
地方議員であれば、(※注)4年間の身分と収入が保証される。
それゆえに、本来の議員の仕事を”ホッタラカシ”にして、票を得ることに血道を上げる人がいることも事実。
私が、「絶対にそうなってはいけない」と考える議員の姿の一つです。
さて。
現在、渋谷区議会を舞台に起きている「1票」をめぐる話は、ご存知でしょうか。
今年4月の渋谷区議会議員選挙で当落を分けたのは1票の差でした。
当選 1,135票 小柳まさや氏(みんなの党、新人、44歳)
落選 1,134票 松岡定俊氏(自民党、過去3回当選、議長経験者、56歳)
1票差で落選した松岡定俊氏(自民党)は、東京都選挙管理委員会に再審を請求。
東京都選挙管理委員会は、渋谷区選挙管理委員会の認定結果を覆し、「小柳氏の得票のうちの1票が無効票」と認定。
「小柳氏と松岡氏の両者で“くじ引き”をして当選者を決める」と発表したのです。
それを受け、小柳氏は、東京都選挙管理委員会を相手取り、裁決取り消しを求める訴えを東京高裁に起こしました。
小柳氏の主張は以下のようなものです。
(一部要約、抜粋)
「渋谷区選挙管理委員会が認定したものを、東京都選挙管理委員会が覆した背景には、不可解な相関関係が存在する」
・現在の都選管の委員長は元渋谷区長の小倉基氏(元・自民党)
・小倉委員長の娘は東京都議会議員の村上英子氏(自民党)
・(一票差で争っている)松岡定俊氏(自民党)は、村上英子氏の選挙運動員
・(相撲で例えれば)力士と行司が手を組んでいるようなもの
以上、小柳氏の主張より
一票をめぐっての裁判。
11月10日 11時30分 東京高等裁判所 817号法廷です。
私は、別件が重なりどうしても傍聴できません。
渋谷区、そして東京都の選挙管理委員会の認定に、司法がどのような決定を下すのか。
渋谷区民のみならず、多くの方に注目頂きたい裁判です。
(※注)
地方自治法に基づく、住民投票などを経れば、議員の「解職」や議会の「解散」は行われます。

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