現役高校生が語ったのは「教師いじめ」「学校裏サイト」などリアリティのある話でした
本日は「せたがやホッと子どもサポート(通称せたホッと)」の活動報告会へ参加してきました。
せたホッとは、昨年設置された”子どもの人権擁護機関”。
区内在住、通学、在勤などの18歳未満の子どもを対象に相談を受け付け、その内容を解決します。
そして、子どもからの「救済申し立て」があれば、必要に応じて是正等の措置の表明、制度改善のための意見表明を行うことになっています。
例えば「学校でいじめられている。助けてほしい」という内容で、子どもから救済の申し立てがあれば、学校に調査に入り、事実が確認できれば、学校にいじめをやめさせるよう正式に要請をすることができます。
仮に区の「子どもの人権擁護機関」から学校に対して正式な要請が来れば、これはやはり学校側も重く受け止めるということになります。
本日は、そんなせたホッとの平成25年度の活動報告会でしたが、様々課題があることを感じました。
いくつかを挙げると。
■区内の子どもが「せたホッと」を知らない。
子どもたちへのアンケートから見えてきたのは、せたホッとの認知度の余りの低さ。
「名前は聞いたことがあるが何をするところか知らない」「全然知らない」を合わせれば約9割の中高生がせたホッとを知りません。
知らなければ、当然、相談などできるはずはありません。
■知っていても、相談しようと思える機関になっていない。
報告会の中では、高校生の意見を聞く時間があったのですが、自分が悩み事を抱えていても”相談すること”に対してハードルがある旨を語る意見が複数出ました。
「相談は常日頃のコミュニケーション、人間関係がないとできない」
「いじめを受けていても、それをいじめとは考えたくない自分もいる。いじめでもないの相談することをためらう」
「もっと、明るい、何でも話せる、雑談の中でポロッと悩み事が口から出る感じが欲しい」
など。
■せたホッとが対応できるのか
同じく高校生の意見の中では「学校がいじめがあることを認めない」「教師いじめを他の教師が黙認している」「学校裏サイトにひどい中傷が書き込まれている」などの話が出ました。
話を聞いているといずれも”学校の対応がおかしいのではないか”と思えるものでした。
こういった事例にせたホッとは強い態度で解決に向かえるのかどうか。
せたホットは区長と教育委員会の付属機関になっていて、学校(≒教育委員会)の付属機関ともいえるからです。
■他の機関と何が違うのか。
世田谷区には、区だけでなく民間含めこれまでも様々な仕組が存在しています。
・学校(スクールカウンセラー)
・子ども家庭支援センター
・子どもテレフォン
・教育相談室
・児童館
・新BOP
・人権擁護機関(法務局)
・子どもの人権110番(法務局)
・子どもの人権110番(東京弁護士会)
・児童相談所(都)
・東京子どもネット(都)
・せたがやチャイルドライン(世田谷ボランティア協会)
・ぴあすぽ(都の委託事業)
など
その上になぜ、また新たな機関を作ったのか。
せたホッとの大きな違いは「権限」だったはず。
この機関は、子どもや保護者の申し立てにより、現場に入り、調査、調整、要請、意見の公表などを行うことができるのです。
しかし、実際には他機関には無い、これらの「プラスアルファ」の力を使った例はこれまで一件もありません。
今日の報告会の内容、中高生の意見をしっかり受け止め、議会でも取り上げていきたいと思います。
コメントを残す