過度の介護をしない、生きるための力を衰えさせない、生活を楽しむためのリハビリ
昨日、世田谷区議会臨時会終了後に高齢者福祉施設の見学を行ってきました。
伺ったのは世田谷区八幡山にある「夢のみずうみ村 新樹苑」です。
「夢のみずうみ村 新樹苑」は平成25年7月、旧区立高齢者センター「新樹苑」を民営化して開設されました。
通所介護(デイサービス)、ショートステイのほか、都市型軽費老人ホームとして運営されています。
ここは、過度の介護をしない、生きるための力を衰えさせない、生活を楽しむためのリハビリ、などをモットーとしているユニークな施設で、施設の方々が「バリアフリー」ならぬ「バリアアリー」と呼ぶ様々な仕掛けがしてあります。
いわば、自分の手足で、自分の五感や判断力を使って、高齢者になっても、生活の為の能力が衰えないよう暮らすための工夫。
例えば、食事の際は、バイキングのように自分で盛り付けて配膳をする、食事後は洗浄後の数ある食器から自分の食器を自分で取り出して自分専用の収納ボックスに片付ける、などの方法がとられていました。
「少しハードルが高そうかな」と思うようなことも「できることはなるべく自分で」ということでしょう。
そして、施設内は、あえてゴチャゴチャとした感じ。
何でもピシッと整理されているわけでもないところが、なんとなく自宅を思わせる雰囲気でもあります。
ペンキでの塗装も味わいがあって楽しげ。
いたるところに張り紙などがあって、頭の体操などが出来る工夫も。
壁に貼ってあるお題をこなすと、施設内で使える通貨がもらえます。
そして、獲得した通貨を使ってパン作り、料理教室などのプログラムに参加することができます。
こうしたプログラムもリハビリ等に効果が高いと思われるので、良い循環となります。
高齢者の事情、健康状態もさまざまですから、ひとり一人に応じた施設、プログラムを選択することが必要でしょう。認知症や障がいのレベルはまちまちです。
しかし、旧区立高齢者センターであった「新樹苑」が民営化し「夢のみずうみ村新樹苑」となることで、これまでに無い新しいアイデアで、ユニークな施設を運営していることは、注目に値します。
「生きるための力を衰えさせない」「力を引き出す」というコンセプトは、高齢者福祉施策の中で広くあてはまるものではないでしょうか。
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