児童虐待について考える。「ふたつのネグレクト~大阪二児置き去り死事件~」
児童虐待。
そのニュースに触れるたびに心が痛みます。
虐待を減らすため、そして無くすために何ができるのか。
勉強する日々です。
昨晩は、ルポライター杉山春氏の講演会に参加しました。
「ふたつのネグレクト~大阪二児置き去り死事件~」。
大阪市で起きた二児虐待死事件と、愛知県武豊町で起きた3歳児餓死事件を基に児童虐待防止について考える講演会です。
■大阪二児置き去り死事件
2010年7月、大阪市のマンションで3歳の姉と1歳半の弟が死亡しているのが発見された。
母親は、わずかの食料を残しつつ50日もの間、子どもたちを置き去りにして交際相手と過ごしていた。
母親は殺人罪で懲役30年の刑が確定。
■
愛知県武豊町3歳児餓死事件
2000年12月、武豊町の団地で段ボールに閉じ込められ食事を与えられなかった3歳女児が餓死。
両親には死亡した女児の他、一歳半の男児がいた。
両親は殺人罪で懲役7年の刑が確定。
講演会では、二つの事件から見える多くの共通点(相違点も説明がありました)をもとに、虐待が起きやすい環境についての示唆が語られていました。
・加害者(それぞれの母親)の幼い時に、母親が家を出て男性の元に走った。
・加害者自身も幼い時にネグレクト(育児放棄)を受けていた。
・加害者は、亡くした子どもを一生懸命育てていた時期もある。
・大阪の事件はシングルマザー、武豊町の事件の父親はパチンコにはまり、新聞を何紙もとるなど勧誘を断れない。
(頼れる父親の不在)
など。
又、児童虐待が予見される状況であったにも関わらず、行政の適切な対応がなされなかった。
・転居を繰り返していたため行政の目が届かなかった。
(行政は追跡まではしない)
・虐待として関わることに消極的だった。
(「虐待だと断定すれば失礼になる」と生活支援として関わった)
・児童相談所の人員が不足しており、多くのケースに丁寧に対応できない。
など。
逸脱した性行動、貧困、公的支援があることを不知、世代間連鎖。
虐待のケースに目をこらし、不幸な事件が起こらない社会を創って行かなければなりません。
行政と手を携え取り組んでまいります。
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