世田谷区役所におけるメンタル不調による休職者数。職員総数に占める割合は2%と、全国の市レベルの自治体平均1.4%を大きく上回っています。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
本日のブログは「区長は役所の組織統治に関心はあるのか」。
先の区議会一般質問よりご報告です。
我々議員は日常的に区職員と様々なやりとりをしますが、その中で、第一線で活躍していた職員が、我々にとっては何の前触れもなく、急にいなくなってしまうことが近年増えているように感じます。
そこで、世田谷区職員における、定年・勧奨退職を除く退職者数の推移を聞きました。もちろん退職の理由は様々でしょうが、世田谷区役所で働くことに嫌気が差して退職した人も少なくないのではないかと危惧しています。
又、休職者、特にメンタルヘルス(鬱などの心の病)を理由とする休職者数の推移、他の市区町村と比較して在職者数における割合はいかほどかについても聞きました。
区側からの答弁では以下状況。
定年退職などを除く区の普通退職者は平成30年度からの5年間で71人、74人、83人、94人、105人と推移。休職者数は5年間で、90人、103人、115人、119人、154人と推移し、メンタル不調による休職者数は同じく5年間で、64人、75人、81人、78人、112人と推移。
また、メンタル不調による休職者数が職員総数に占める割合は、令和4年度で2.0%と全国の市レベルの自治体平均1.4%を上回っている。
世田谷区役所では、心の不調による休職者(職員総数に占める割合)が2%と、全国の市レベルの平均1.4%を大きく上回っているということですから、区長は組織の長としてこれを深刻に受け止め、状況を変えるための施策に取り組まなければなりません。
桃野は、区長が、”我目立たんかな”との思いがあまりに強く、その思いの影響を多大に受ける職員の苦労に無関心なこと、必要な決断を優柔不断に先送りして現場の仕事にブレーキをかけていること、本来の業務と言えるかどうか疑問を感じるようなことに区職員を使うこと、などがメンタルヘルス系の休職者が多い一因になっているのではないかと考えています。
具体例を挙げれば、新型コロナ流行下での、あの「誰でも、いつでも、何度でもPCR検査」。区長は本来陣頭指揮に多忙であるはずの時期に、連日テレビに出て、全く的外れで区として実現しようとしていたかも疑わしい施策を、さもこれから実現するかのように喧伝していました。結果的にも世田谷区では「誰でも、いつでも、何度でもPCR検査」などということは今に至るまで実施されていません。
先の代表質問で取り上げた「恵泉通りの問題」は、現場職員が奮闘したその先に、区長がやるべきことをやらず。いつまでも解決に至りません。
区長公用車の使い方を巡って区長に取材を試みた記者をブロックするためだけに、朝から4名の職員が、狛江にある区長の自宅まで派遣されるということもありました。
先ずは区長が誠実な態度で組織運営に臨むことが必要ですが、今すぐできることとして庁内を総点検し、職員に対して「不要な仕事」をやめさせることも大切ではないでしょうか。
一事を生ずるは一事を減ずるに若かず。
例えば、放射線量の測定。東日本大震災での原発事故に関連して始められたものですが、事故から13年経っても、未だ区長は、1週間に一回の頻度で、地上からの高さを三段階に分けて5回の繰り返し測定を続けさせています。
又、区長の年末の職場周り。2019年12月28日と昨年(2023年)12月26日の保坂展人さんのX(個人的なアカウント)には以下の投稿がありました。
曰く「世田谷区職員の職場を年末にまわり、その労をねぎらって挨拶をするのは、私が就任して数年後に始めたことだった。最初は一日で本庁舎のみだったのが、地域の総合支所にも広げて、たちまち一日では廻りきれなくなった。約10年間は3~4日かけて廻っている。改めて首長としての仕事の重さを感じている。」果たしてこんなことが必要でしょうか。区長がご自身の幸せを噛み締めるための行為に多くの職員が振り回されています。年末に区長が職場に来るのが嬉しい、職場全員で仕事の手を止めて佇立し訓示を聞くとやる気が出るという職員がどれほどいるのでしょうか。
2019年には2日で100回の挨拶をしたと言っていますので、2023年は4日で200回?一回3分の挨拶だとして職場を止めている時間は、10時間にもなってしまう計算です。
これは一例ですが、まだまだ不要な仕事、意味のない仕事が役所内にはたくさんあるでしょう。これらを総点検しやめるべきは今すぐやめるべきです。桃野は議会質問を通じて区長に提案しましたが、区長が自身で答弁に立つことはありませんでした。残念。。。
職員が効率よく良い仕事をする為には、官民連携、DXの推進が不可欠とこれまで区に提言してきましたし、これからも変わらずそれについては働きかけていきますが、その前に、余計な仕事、区民のためではなく区長のための仕事、などは役所から一掃しなくてはなりません。
質問の様子は以下動画でご覧下さい。
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