他区のように、帯状疱疹ワクチン、おたふくかぜワクチンに接種費用の助成を。世田谷区の姿勢は消極的なままでしたが、粘り強く働きかけていきます。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
本日のブログも桃野の一般質問より。一般質問の様子は以下の動画でご覧ください。
今回の一般質問は以下の4テーマ。
1.奨学金制度の拡充について(12/1ブログアップ済み)
2.医療的ケア児へのサポートについて(11/30ブログアップ済み)
3.ワクチン接種について
4.世田谷区が関連するイベントの収益について(11/29ブログアップ済み)
今日は「3.ワクチン接種について」をご報告します。
新型コロナ禍の中でワクチンへの注目が集まっています。しかし病気の予防や重症化を防ぐために有効なワクチンは様々。そして、そんなワクチンの中でも、予防接種法に基づく定期接種となっているワクチンについては、公費で接種を受けることができます。
一方、定期接種となっているワクチン以外のワクチン接種にも助成をおこなっている自治体は数多あります。今回の一般質問では「世田谷区でもワクチン接種への助成を充実させるべき」との視点で区に問いました。
例えば、帯状疱疹ワクチン。帯状疱疹は加齢や疲労などで免疫力が低下すると発症するとされます。50代以降、発症する方が急激に増える他、80歳までに約3人に一人が発症すると言われています。帯状疱疹では体の左右どちらかの神経に沿って非常に強い痛みが出ることが多く、又顔面神経麻痺、難聴、めまい、角膜炎の症状が出る他、稀に失明することもあります。更に50歳以上で帯状疱疹にかかった方の約3割が帯状疱疹後に神経痛になる後遺症も出ています。
この帯状疱疹の予防や重症化、後遺症を防ぐのが帯状疱疹ワクチンですが、このワクチン接種費用を助成している自治体は全国に多々あり、特別区では文京区が費用助成をおこなっています。
おたふくかぜワクチンもあります。流行性耳下腺炎、いわゆるおたふくかぜはムンプスウイルスによって耳下腺が腫れる病気です。両側又は片側の耳下腺が腫脹しあごの痛みや発熱が起こり、その他髄膜炎、脳炎、膵炎、難聴などの合併症にも注意が必要。おたふくかぜによる難聴は「ムンプス難聴」と呼ばれ、永続的な障がいとなることがある一方で、ワクチンで予防できる唯一の難聴とも言われます。
日本小児科学会は1回目のワクチン接種を一歳になったら早めに接種することを、2回目の接種を小学校入学前の1年間に接種することを推奨していますが、おたふくかぜワクチンは定期接種化されていません。しかし、おたふくかぜワクチンについても費用助成をおこなっている自治体は多く、特別区では目黒区、品川区、渋谷区など16区が助成をおこなっています。子どもの健康を守るため、子育て世帯の支援のためにも、世田谷区もおたふく風邪ワクチンの接種に対し費用助成を行うべきではないでしょうか。
帯状疱疹ワクチン、おたふくかぜワクチンに、接種費用の助成を。
区の答弁は以下内容でした。
・帯状疱疹およびおたふくかぜは、予防接種により発症及び重症化を防ぐことが期待される。
・特別区では、現在、帯状疱疹ワクチンは文京区が生ワクチンの一部費用助成、おたふくかぜワクチンは16区が一部費用助成を実施している。
・厚生労働省の厚生科学審議会においては、いずれのワクチンも定期接種化について検討されている。
・一方で、おたふくかぜワクチンについては、副反応としての無菌性髄膜炎の発生頻度について、帯状疱疹ワクチンについては、期待される効果や導入年齢、生ワクチンと不活化ワクチンについて慎重に検討されており、現在のところ任意のワクチンとして接種が行われている。
・いずれのワクチンについても、今後、国や東京都の動向を注視しながら、区の対応について検討する。
残念ながら、今回はゼロ回答と言っていい内容。国や東京都が動かない限り、世田谷区としては独自の費用助成はしないという意味になります。上記に示したように特別区でもこれらワクチンに費用助成をおこなっている区はあるのですが、世田谷区はそれらの区に比べて非常に消極的ということになります。
もちろん、ワクチン接種は強制されるものではありませんが、接種を希望する方に公費で助成を行うことは「区民の健康を守る」「区民の日々の活動をより活力あるものにする」という意味でもとても良い手段だと思うのですが。
今回の質問では、区が動く様子は一切ありませんが、今後とも粘り強く働きかけていきます。
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