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世田谷区の桃太郎 桃野芳文Webサイトです
2021-06-14

区議会本会議で代表質問。世田谷区の新型コロナワクチン集団接種(住民接種)について。安全・迅速な接種体制づくりのための提案です。

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世田谷区議会議員、桃野芳文です。

本日は世田谷区議会本会議。桃野は我が会派「無所属・世田谷行革110番・維新」を代表して代表質問を行いました。本日よりブログでもその内容をご報告して参ります。

先ずは、新型コロナワクチンの迅速・安全な接種体制作りについて。

振り返ると今年4月、東京都内の自治体で一番にワクチンが配分されたのは八王子市と世田谷区でした。この頃は、さながら「ワクチン争奪戦」の状況であり、少量といえども当区にワクチンが配分されたことは喜ぶべきことだと私は感じていました。

一方、区長は4月7日、例の保坂展人さん個人ツイッターで、以下発信しています。

区長曰く

“4月12日からの高齢者対象のワクチン接種は、集団接種に見合う量ではない。世田谷区ではリスクの高い高齢者施設の多床室などを持つ施設での接種に限定した。にもかかわらず、「高齢者接種が始まった」と報道されると、あたかも本格的接種が始まったかと受け止める高齢者の方々が問い合わせを始める。”

とのこと。

他自治体に先駆けてワクチンが配分されたにも関わらず、区長は何やら不満げで「さあ、やるぞ」と言う気持ちは微塵も感じられません。

さて、現状はどうでしょうか。八王子市のサイトを見ると6月13日現在の接種回数は合計160,130回。世田谷区のサイトを見ると接種回数は6月14日10時の時点で合計103,347回。八王子市のワクチン接種回数を100とすると世田谷区は64.5にしか過ぎません。今、高齢者から順に接種していますが、八王子市、世田谷区それぞれ一回目の接種を終えた65歳以上の方の割合を見ると八王子市は約71.3%、世田谷区は約44.6%です。

区長はツイッターで頻繁に「ワクチン敗戦」という言葉を使い、政府を批判しています。あまり感心しない言い回しですが、あえて区長に自省を促す意味で言うなら、保坂区政こそが今、ワクチン敗戦の瀬戸際ではないでしょうか。今からでも遅くありません。ツイッターで政府批判に血道を上げるのでは無く、区長として地に足をつけ安全・迅速なワクチン接種を進めるべきです。

先ず大前提は安全な接種。アナフィラキシーへの対応について問いました。

アナフィラキシーとはアレルゲン等の侵入により複数の臓器に全身性にアレルギー症状が引き起こされ、生命に危機を与え得る過敏反応です。アナフィラキシーに血圧低下を伴う意識障害、あるいは脱力が認められた状態をアナフィラキシーショックと言います。

報道によると、厚生労働省は6月9日の専門部会で、米ファイザー社製の新型コロナウイルスワクチンのアナフィラキシーの報告件数が5月30日時点で100万回当たり13件だったと報告しました。区の集団接種のワクチンもファイザーであり、仮に区が接種券を送付する82万9千人の8割の方が予定通り2回摂取した場合、あくまで確率論ですが、17件のアナフィラキシーが報告される計算になります。

いうまでもなく、アナフィラキシー対応には万全の準備が必要です。区の接種会場で、ワクチン接種後の方にアナフィラキシー症状が出た場合は、医師の判断によりますが、アドレナリン注射などの応急処置をしつつ、救急車の到着を待つケースが想定されるでしょう。

厚労省は令和3年6月4日の「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き(3.1版) 」にて「実際に重篤な副反応が発生した場合、発症者の速やかな治療や搬送に資するよう、予め搬送先の候補となる接種会場近傍の二次医療機関等を選定しておくこと」としています。

ところが、区は「予め搬送先の候補となる接種会場近傍の二次医療機関等を選定して」いません。区の答弁によると、119番通報すれば後は救急車がきちんと運んでくれるなんだからそれでOKという考えのようです。

桃野は区に対して、接種会場からどの医療機関へ搬送するのか、接種会場の医師は救急車に同乗するのか否かなどを事前に決めておくべきだと訴えました。

そして、ワクチン集団接種会場の運営についても様々提案。

接種会場で働くのは派遣会社を通じて集められた医師や看護師で、日替わりでその顔ぶれが変わります。こうした仕組みでは日を重ねても会場全体としての仕事の練度が上がって行きづらいということもあるでしょう。

先ずは、せめてまとまった日数現場にいる責任医師は必要ではないかということ。そして他にも私が接種会場を視察し、接種終了後に現場の医師等の方々とお話しした際に頂いたご意見を生かして区に提案を行いました。

現場の声、例えば。

・派遣元の社員が来ておらず名前も身分証明の確認もないのはセキュリティ面で問題ではないか。

・一緒に働く方々の名前もわからないのでいざという時のチームワークに懸念がある。

・医療器具や医薬品の管理がずさん、区職員が医療器具や医薬品の名前を知らないので話が通じなかったり、どこにあるかと聞いても答えられなかったりする。

・人工呼吸用の挿管グッズが置いてあったが、集団接種会場でそのような対応は無理であり、そこまで医師に求められているのかと驚いた。接種会場にある備品は厚労省の手引きの最新版に合わせてあるのか。

・日本語を母語としない人も接種会場に来るだろうから簡単な日本語、英語、イラストなどの表記でスムースに接種が進むようにすべき。

・接種後の経過観察は15分もしくは30分間、並べられた椅子に座っているだけだ。ワクチン接種後の注意点など15分で一周するビデオを流してはどうか。

・日報のような申し送りのための仕組みを作るべき。

等々。

区は、委託事業者に任せたのだからあとは知らないと言うことでしょうか。今は現場で志ある方々が一つ一つ問題を解決して進めてくださっているようですが、そうした方に頼るばかりでは仕組みとして脆弱だと言わざるを得ませんし、他の接種会場との事例の共有も困難です。

区は先ず、上記に挙げた課題の解決に急ぎ取り組むべきですし、その後は全19の集団接種会場の総点検、課題や改善策の共有などを行うコーディネート機能、アドバイザー機能を整備すべきだと区に求めました。

今回の区の答弁は「責任医師の固定化やアドバイザーの設置等の更なる改善策を検討する」というものでした。「検討する」というのですから、まだ具体性は無いし、いつ頃までに答えが出るのかどうかも不明です。安全で安定的なワクチン接種会場の運営について、引き続き区に働きかけて行かなければ。

質問の様子は以下の動画でご覧下さい。全体40分。時間が無い方は最後の8分間だけでもご覧下さい。

■次回ブログも世田谷区のワクチン集団接種についてお伝えする予定です。

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