銀行にとって、今や不採算部門となっているのが自治体の公金の扱いに関する業務(指定金業務)。区は銀行とのパートナーシップづくりに尽力を。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
本日のブログも予算特別委員会での桃野の質疑より。動画は以下からご覧ください。
日本銀行が黒田東彦総裁のもと、量的・質的金融緩和(いわゆる異次元緩和)を導入したのは、もう今から8年前。以降、今も歴史的な低金利は続いています。
大規模な金融緩和政策は、株価の上昇や雇用環境の改善など日本経済に対して大きな効果を発揮した一方で、銀行の経営環境の悪化など、その副作用についても指摘を受けるようになりました。
銀行のビジネスモデルの中心は、預金等によって調達した資金を、貸出や日本国債をはじめとする有価証券によって運用すること。
しかし銀行は、金融緩和政策による国内金利の低下によって調達資金を運用することが難しくなってきています。
そんな中、営利企業たる銀行は儲けを出そうと様々取り組みを進めています。店舗網の見直し、ATMの台数削減、両替手数料の値上げ、通帳の有料化などなど。
そして、自治体の公金の扱いに関する業務(指定金業務)も今や銀行にとつては不採算部門。
銀行にとって、指定金業務を担うと言う事は、自治体の“財布”を預かると言うこと。銀行は多額の公金を預金として運用できるのに加え、地方債の引き受けなど自治体との幅広い取引を通じた手数料収入で経費を相殺したり、自治体のお墨付きを得て地域住民の信頼感が増す効果を期待したりと言うことがありました。
これまで各行が獲得にしのぎを削ってきたのが指定金融機関。
しかしそれも今は昔。銀行にとって今や指定金融機関が金看板である時代ではありません。指定金業務は不採算事業、銀行にとってお荷物となりつつあるのが今の実態です。報道によると、メガバンクの中でも自治体の指定金業務を辞退した例があり、それは「手数料の増額を求めた銀行側に対してそれを断った自治体との契約を打ち切った」からだそう。
そんな中ですから、世田谷区は銀行と、より良いパートナーシップづくりに取り組む必要があります。
区は、ネットバンキングや電子マネーの導入推進、金融にまつわるDX(デジタル・トランスフォーメーション)に取り組み、区&銀行の業務の効率化に取り組まないと。
今回の質疑では、少なくとも区側と危機感の共有はできたと思います。
質疑の全体は是非、上記に掲載の動画でご覧ください。
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