法務省が試案で、性交同意年齢の引き上げ、強制性交罪の構成要件の見直し、撮影罪の新設など示しました。急ぎ性犯罪の実態に合わせた刑法の規定改正を。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
先の定例会で議決し、政府並びに国会に意見書を提出しました。「刑法の性犯罪規定の見直しに関する意見書」。
内容はこちら。ちなみに全会派賛成で可決された内容です。
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【刑法の性犯罪規定の見直しに関する意見書】
性犯罪は、被害者の人格や尊厳を著しく侵害し、その後の人生に大きな禍根を残す重大な犯罪です。
2017年6月刑法改正により、110年ぶりに性犯罪に関する規定の見直しが行われ、強姦罪を強制性交罪等として定義を広げ、法刑の下限を引き上げるなどの前進をみました。しかし、事前の検討会の議論は9項目にわたりましたが、改正時には、公訴時効や性交同意年齢、暴行脅迫要件、地位関係性の4項目は改正が見送られました。また、その後2019年には、被害者の同意のない性行為であると認定されながらも、無罪判決が相次ぐなど、改正後の規定でもなお不十分であることが指摘されています。
法務省では2020年6月から、「性犯罪に関する刑事法検討会」が開催され、その報告書に基づき法制審議会の場で刑法の性犯罪規定の見直しに向けた議論が行われてきました。
検討会の報告書を踏まえ、法制審議会で議論されている刑法を性被害の実態に即したものに改正し、関連法整備や性被害者支援施策の強化を早急に行うことが必要です。
よって世田谷区議会は、国会及び政府に対し、改めて声を上げられない被害者の実態や視点に立った刑法の性犯罪に関する規定を見直すことを求め、次の事項を実現するよう強く要望します。
記
1 公訴時効の完成を遅らせること。
2 性交同意年齢を引き上げること。
3 暴行・脅迫や心神喪失、抗拒不能の要件を見直し、同意のない強制性交を処罰するための不同意性交罪の創設など、被害者に寄り添った改正を行うこと。
4 対等ではない関係性を利用した性犯罪規定を創設すること。
(引用以上)
「性交同意年齢」とは性行為への同意を自分で判断できるとみなす年齢のこと。日本では刑法で13歳と定められています。桃野はこれは引き上げるべきとの考え。つまり大人が13歳の少年少女と同意があったからといって、性交すべきではないとの考え。
一方で、同年代の男女の性交はまた別に捉えるべきでは無いかとも考えています。例えば、13歳同士の男女が性交したときにそれを違法行為として法で裁くことが適切かということ。
上記意見書を政府並びに国会に提出したのが2022年10月21日付ですが、時同じくして、2022年10月24日、法務省から、性犯罪の実態に合わせて刑法の規定を改正する試案(NHKのサイト)が示されました。
報道によると、試案では「性行為への同意を判断できるとみなす年齢については、現在の13歳以上から16歳以上に引き上げる案」が示され「同年代の恋愛までも処罰されかねないという意見も出たことから、相手との間に5歳以上の年齢差がある場合に適用する」としたようです。
報道されている試案内容を見ると、概ね桃野は頷ける内容です。今後は急ぎ、性犯罪の実態に合わせた刑法の規定の改正が行われることを望みます。
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