世田谷区令和3年度予算(案)のポイントは?大幅な減収見込みの中、どのように対応するか。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
東京都内の日毎の新規感染者数が減少してきました。
都内で新たに412人 新型コロナ感染確認 500人下回るのは3日連続https://t.co/8k1Qb1cEg9
— NHK@首都圏 (@nhk_shutoken) February 9, 2021
このまま減少傾向に向かって欲しい。そしてなるべく早くコロナ前と変わらぬ経済活動が行える世の中になって欲しい。多くの方の願いですね。
さて世田谷区議会では、いよいよ来年度(令和3年度)の予算案の審議に向かっていく時期です。令和3年度予算案は新型コロナの影響を強く受けたものになることは間違いなく、厳しい財政見通しを反映したものにならざるを得ません。
先の企画総務委員会で区側から示された「令和3年度当初予算(案)概要」からポイントを抜き出すと。
・特別区税は、年度前半の急激な景気後退局面からその後の緩やかな経済活動の回復や人口の動向等を踏まえ前年度比で76億円の減収を見込む。
・特別区交付金においても景気の動向を踏まえた減額に加えて、税制改正による地方法人課税の見直しの影響などにより前年比で52億円の減額を見込む。
・特別区税と特別区交付金をあわせて合計128億円の大幅な減収見込み。
*特別区交付金についてはこちらのブログを参照下さい↓
【世田谷区の財政。来年度の見込みですが、区民税75億円の減収、特別区交付金52億円の減額】(2021.02.03 桃野ブログ)
・令和3年度予算編成にあたっては、大幅な減収見通しに対応するため、事務事業について事業規模や事業手法の見直しなど、本質的な見直しに取り組んだ。事務事業の見直し効果額は合計81億8,600万円。
(1)事務事業の本格的な見直し:53億6,000万円
・事業規模や対象の見直しで35.5億円。(オリパラ東京2020大会関連事業の見直し、小中学生の移動教室事業の規模縮小、総合運動場陸上競技場人口芝化改修工事ほか公園・広場の改修工事などの延期、図書館の図書購入費等の見直し、等々)
・事業内容や手法の見直し・転換で9.2億円。(指定保養施設、地域のまつり、タッチ・ザ・ワールド事業、広報誌のWEB媒体への変更、せたがや文化財団などの外郭団体事業等の見直し、等々)
・他の施策事業とあわせた見直しで3.3億円。(二子玉川周辺地区安全・環境美化委託事業、認可外保育施設を含む既存園の活用等を踏まえた保育施設整備費の見直し、等々)
・事業の休止や廃止で5.6億円。(芸術アワード飛翔、国民健康保険事業会計等夏の施設借り上げ事業、等々)
(2)事業経費の精査など:28億2,600万円
・執行実績等を踏まえた予算計上額の精査。(子ども医療費助成、生活保護費、保育料負担軽減補助、等々)
・財政状況を踏まえた経費の縮減・精査。(事務用消耗品購入費、等々)
ちなみに、予算をつくる(行政用語で予算の調製と言います)のは首長、つまり世田谷区の場合は世田谷区長に専属する権限であり、議会にその権限はありません。議会は区長が議会に提出してきた予算案について議会で審議し「否決」したり区長に対して「予算修正」を求めることができます。
世田谷区議会では、区長が編成した予算を、3月の予算特別委員会における質疑を通じ審査することになります。
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