議会運営の話。区民の関心が高い「PCR検査補正予算」に各議員はどのように臨むのか。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
今日は議会運営の話を。
「誰でも、いつでも、何度でもPCR検査」とメディアで喧伝していた世田谷区長の施策が、大きく変形して「区内の介護施設従事者、保育施設従事者など2万数千人を2ヶ月かけて一回ずつPCR検査、費やす予算4億円」となり、それすらどうなるかわからないという状況です。
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「介護施設等での従事者に対するPCR検査」も、その費用が補正予算として組まれ、議会でその予算案が可決されなければ実施はできません。ということで、9月15日から始まる予定の世田谷区議会定例会でそれに対する議論が行われる予定だったのですが、通常は定例会の告示日(本日)までに議会に提出される補正予算案(議案)が区長から議会に未だ提出されていないという異例の事態。
通常であれば、以下のような流れで議案に対する賛否が議会で諮られます。
・告示日、議会への議案提出
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・その後、質問通告期限。質問通告とは各議員が、行政側に「この内容で質問します」と通告する期限のこと。
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・質問通告に基づき、本会議にて代表質問・一般質問。議案に関する様々なことも区長に問う機会となります。
ところが今回は、補正予算に関する議案がまだ議会に提出されないまま、明日質問通告期限がやってきます。しかも、区側から議会への説明並びに区議会事務局からの説明によると、議案提出は「代表質問・一般質問が終了する区議会本会議3日目までに間に合うように準備中」とのこと。補正予算、それも区民の関心が非常に高いコロナ対策の予算案が、代表質問・一般質問までに議案が提出されるかどうかわからないという事態になっています。
区側は、議案の内容については、事前に委員会で説明したいので、臨時で委員会を開いて欲しいと議会側に求め、実際に臨時委員会は開かれることになりますが、今回の補正予算について質疑ができる「企画総務委員会」と「福祉保健委員会」に出席できない議員もいます。つまり、補正予算案について十分に質疑、質問する機会なく採決に臨まなくてはならない議員が出てくる恐れもあるのです。これは、議会制民主主義において由々しき事態。
桃野は本日の議会運営委員会理事会で、「議案の提出→質問通告期限→代表質問・一般質問」とならなければ、議会制民主主義がゆるがせになると主張し、そのようにスケジュールを組み直すべきと主張しました。加えてスケジュールを変えないのであれば「せめて」臨時の委員会には区長に出席を要請し、各議員(委員)が、区長と議論できるようにすべきとも主張しました(代表質問・一般質問は区長に問う機会だが、今回異例の事態となっているため)。
他会派の意見はどうかと求めましたが、結果、他会派の賛同を得ることができず。
今回は、議論の結果として受け入れ了とした上で、議運理事会の後に開催される議会運営委員会で意見を述べ、会派の意思を表明する事にしました。
区議会は、区側(行政側)や区議会事務局がお膳立てした以外のことはやらない(もしくはできない)、ということであれば、普段「行政と議会は車の両輪」などと格好をつけていても、実際には区議会と行政は「従属的な関係」だと言われても仕方がありません。引き続き、言論の場でしっかりと主張していきたいと思います。
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