不登校の原因を「生徒・児童の無気力」としてしまう学校の実態。先ずこれを改めなければ不登校支援はできないという話。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
本日は夕刻、不登校やひきこもりに関する勉強。
以前、ブログでも告知した以下のイベントに参加しておりました。
関連ブログはこちら↓
【若者だけでは無い。中高年の「ひきこもり」は推計61万人、7割以上が男性。ここにも福祉的サポートが必要では無いか】
斉藤環先生、山登敬之先生、長年多くのひきこもり、不登校の状態にある方々と接してきたまさに専門家のお話は大変勉強になりました。
先のブログで桃野が言及したことと符合する話も出てました。
内閣府の調査では「ひきこもり」の40~64歳が、全国で推計61万人。15~39歳の推計54万人を上回る。ひきこもりの問題は若者の問題ではない。ひきこもっている方々への支援は、年齢制限は取っ払って、高齢者支援と併せてやったらどうか。社会的孤立という問題と捉えれば年齢は関係ない。
こんなお話。
世田谷区では、ひきこもり、不登校の方々への支援を「若者支援」と捉え「メルクマール世田谷」にて40歳を年齢制限にして対応しています。これを改めるべきという提言ですね。
他にも専門家ならではの提言多数。
・中学校を卒業すると、つまり義務教育を終了すると、利用できる社会資源が一気に減少する。中学校卒業から5年間の支援が大事。そこを手厚くしていくべき。
・中学校を卒業後、通信制の高校に籍を置くが、それでもやっぱり学校に行けない、そして学校をやめてしまい社会的に孤立してしまう人がいる。
・高校版のフリースクール、居場所があると良い。N高等学校のような高校も出てきた。様々な選択肢を示すことが大切。
・学校における価値観も変わらなければいけない。不登校を不名誉なこととし、実態把握ができない土壌がある。
・学校に不登校の原因を聞くと一番多い原因が「無気力」となる。これでは調査と言えない。
・NHKの調査では、一番の原因は「生徒・児童の人間関係、つまりいじめ」二番目の原因は「教師との人間関係、つまりハラスメント」
・いじめも不登校も、学校が「うちには無い」と誇らしげにいうが、そんなことはあるはず無い。一定の数で出現するもの。ある前提で取り組まなければいけないもの。
・対人支援で必要なのは「マイルドなおせっかい」。これを粘り強くできるかどうか。
・支援すべき人のニーズは複雑、且つスティグマを帯びていて自己開示が困難。自己開示がなければ適切な支援ができないが、強引に自己開示させて行政サービスを受けさせるのは問題外。
・表面的な拒否にくじけて、この人は無理だと諦めてしまってはダメ。又ニーズの見えている人だけを選別するのも好ましく無い。
などなど。
聞けば聞くほど、ひきこもりや不登校の方々に対して適切な支援を行うのは簡単では無いということがわかります。
しかし、そこを切り捨てることなく、当事者たちが安心して暮らしていける社会を作っていかなければなりません。今日はそんな気持ちを改めて感じる時間でした。
コメントを残す