区民農園の充実を。希望する区民に「農のある暮らし」を提供することは、世田谷の魅力を高める一つのアプローチ。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
今日のブログも先の一般質問から。
「区民が楽しく土に触れられる区民農園を」
と取り上げました。
区民農園(ファミリー農園)は、世田谷区が、生産緑地地区の指定の無い宅地化農地を土地所有者から無償でお借りし、区民に貸し出す事業。
利用できるのは、1区画で約15平方メートル。水道、物置、農機具(クワ、レイキ、スコップ、ジョウロ)等の農作業に必要な設備は農園内に備えられていて、利用者は野菜や花など、自身で好きなものを作って楽しむことができます。
区民農園は、平成31年3月1日現在で21カ所。利用期間は1年11ヶ月、利用料は22,080円です。
野菜づくりを通して土に親しむ機会を区民に提供するとともに、農地の保全、緑地空間の確保にもつながる事業ですから、桃野は、区が農園の質量ともに充実を図るよう取り組むべきだと考えています。
毎年、区民農園の利用者を募集すると、空き区画に対して三倍から五倍ぐらいの応募があるようですし、区は、少しでも多くの希望者にご利用頂けるよう区民農園の量を増やす取り組むを進めるべきです。
国会で都市農地貸借法法が制定され、昨年9月、生産緑地の貸借を促進する新たな仕組みがスタートしました。区はこうした仕組みも活用し区民農園を増やすよう取り組むべきだと区に訴えました。
併せて農園の質についても。
「せっかく抽選で選ばれ、野菜作りを始めたのに、土からコンクリート片や大きな石などが次々と出てきてうまく作物を育てることができない」という声も聞きます。
桃野が実際に区民農園を見て回ったところ、ある農園では地表面に大きな石が目立ち、利用者が農作業中に除去したものであろうコンクリートガラ等が敷地内にまとめて置いてありました。
こんな感じ。
利用者の方々とお話もしましたが、こうしたガラの除去に大変苦労されているようでした。区は、区民の皆さんが楽しく快適に土に親しめるよう、こうした農園に改善の手を打たないと。
区からは、概ね以下のような答弁。
先ず区民農園を増やす取り組みについて。
開設している区民農園は、21箇所で、過去3年間に3倍から5倍ぐらいの応募の倍率があり、区民ニーズは高いと認識している。
都市農地の貸借の円滑化に関する法律が成立したことにより、区が生産緑地を借りて区民農園として運営することができるようになったが、一方で、民間事業者が生産緑地を借りて土地を区割りして、区民農園のように貸し出す民間型の区民農園を開設できるようにもなった。区内でも土地所有者が民間事業者に土地を貸して区民農園を開設するケースが出てきている。
区としては、現在の区民農園と新しい法律に基づき民間事業者が開設する民間型の区民農園、同様に新しい仕組みを活用して区が開設する区民農園について、区の農業政策における位置づけなどを整理しながら、農園などの農のある暮らしの充実に向けて取り組んでいく。
次に、ガラ等のない使いやすい農園への改善について。
区民農園の開設にあたっては、事前に区で区画割りや表層にある土をならすなどの整備を行い、耕作に支障となるガラなどが出てきた場合は極力取り除いている。
土地の整備段階で取りきれなかったガラなどについては、区民農園利用者が発見した場合は、取り除いていただき、区が委託する区民農園の管理運営事業者が処分している。
区民農園の地中から出土したガラや、区画外に放置された農作物などに関して、利用者からご意見をいただくこともある。そのような場合は、管理運営事業者と調整しながら、放置されたガラなどの撤去を行っている。
(桃野から)指摘のあった農園については、地中から出土したガラの状況は確認しており、耕作に支障となる地中のガラ等については、2年にいちどの利用者入れ替えの時期となる来年の2月に土地の状況を再点検したうえで、撤去を行い、利用者に気持ちよくご利用いただけるよう努めていく。
答弁内容は以上。
区民農園の量を希望者向けに充足させることは、一朝一夕には実現しないとは思います。それでも、区民に対し、安価に、農のある暮らしを提供することは、世田谷区の魅力を高めるための一つのアプローチだと捉え、地道にしっかりと前に進めてもらいたいと考えています。
そして、農地の質。今回の答弁で区は地中のガラの撤去についても言及し「利用者に気持ちよくご利用頂けるよう努める」としていますから、一歩前進と受け止め今後の改善状況に注視していきたいと思います。
質問の様子はこちらでご覧いただけます。
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