桃野の世田谷区議会一般質問より。医療的ケア児、そのご家族への支援について取り上げました。区側からは「一歩前進」の答弁。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
本日の世田谷区議会本会議にて、桃野は一般質問。以下のテーマを取り上げ区側に問いました。
1.新型コロナウイルス感染症対策に関する区と区民とのコミュニケーションについて
2.新型コロナウイルス感染症から子ども達を守る施策について
3.ワクチン接種体制の拡充について
4.医療的ケア児への支援について
本日からブログでも議会質問についてご報告していきます。先ず本日のブログは「4.医療的ケア児への支援について」。
医療的ケア児(医ケア児)とは、日常生活や社会生活を営むため恒常的に医療的ケア(=人工呼吸器による呼吸管理、喀痰吸引などの医療行為)を受けることが不可欠な児童のことですが、全国的に、又区内においてもその人数は増加傾向にあります。
平成30年11月8日の区の資料「世田谷区における医療的ケアが必要なお子さん支援の取り組み」によると、平成30年4月時点の「医療的ケアが必要なお子さんの人数」は未就学児97人、就学児 59人。そして、本日の区側の答弁によると、区内で「医療的ケアを必要とする子どもの人数」は、令和3年4月時点で、未就学児109人、就学児71人(特別支援学校等に通う児童を含む)で合計180人です。
この180人の児童、そしてそのご家族をしっかりと支援していくのは行政の務めです。
本年6月に公布された「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」は明後日9月18日に施行されます。
この法律の第十条では「教育を行う体制の拡充等」を定めていて、同条二項では「学校の設置者は、医療的ケア児が保護者の付添いがなくても適切な支援を受けられるよう、看護師等の配置その他の必要な措置を講ずる」旨定めています。
一方、世田谷区では、「医療的ケアの標準的な実施項目・内容」の中に、人工呼吸器による呼吸管理を含めておらず、看護師の配置対象としていません。そして人工呼吸器による呼吸管理を必要とする医ケア児が学校にいる間は、保護者の校内待機を求めています。これは早急に改め法に定める通り、保護者の付き添い無しに医ケア児が学校で学べる環境を整えるべきです。
本日、桃野が区側に問うたところ、区の答弁は以下。
教育委員会といたしましては、区立学校において、保護者の付添いがなくても適切な医療的ケアを提供できるよう、関係所管や関係機関とも連携を図りながら、早急に課題の整理を行い、必要な措置の実施に向けた検討を進めてまいります。
つまり”お役所言葉”をわかりやすく翻訳すると、「なるべく早く実施します」ということ。これは良かった。これまで人工呼吸管理をしている医療的ケア児が通学する場合、保護者は「では、その間は学校に居てください」と負担を強いられていました。これでは就労できない(仕事を辞めざるを得ない)保護者もいらっしゃるでしょう。本日の区側の答弁で、今後こうした状況が改善される見込みが立ちました。良かった。
そして現在、医ケア児が、教室に設置された分身ロボットオリヒメを遠隔操作して、授業に参加したり、友達と交流したりする取り組みが区立校一校で行われています。これについても取り上げました。桃野はこの施策を、テクノロジーの活用で医ケア児の学びを後押しする良い取り組みだと考えています。例えば、現在入院中だが遠隔ロボットを通じて学校生活を送りたいという児童がいれば是非、この施策を活用して学校生活を送ってもらいたい。そう考えます。
今回は、現在いわば試行的に行われている分身ロボットオリヒメを本格導入すべきとの趣旨で区側に問いました。これに対し区側は以下答弁しています。
子ども同士のコミュニケーションを要する場面では、ジェスチャーで意思を伝えることができる「オリヒメ」が効果的に活用されている。医療的ケア児本人からは、「自分の意見を言えるようになった」「友だちとコミュニケーションを取ることが増えた」といった感想が挙がっている。
本事業は今年度末までの実施を予定している。ZOOMやTeamsとの役割分担や、「オリヒメ」の活用がもたらす効果、有効に活用される場面を検証し、今後の支援について検討する。
これをわかりやすく翻訳すると、「これからどうするか検討する。検討の結果どうなるかはまだ何とも言えない」ということ。これについては、区側は中々簡単に「やります」と言えないよう。予算の都合もあるのでしょうが、世田谷区長が「世田谷モデル」とか言って全く効果のない施策に何億ものお金(区民の皆様の貴重税金)を費やしたことを考えれば、それをやめていればオリヒメを何台導入できたかと口惜しく思います。
ともあれ、桃野は今後も医療的ケア児、そのご家族を支援する施策の充実に向け、議会からしっかりと働きかけて参ります。
質問の様子は以下の動画でご覧下さい。医療的ケア児に関する質問は、動画冒頭から7分後まで早送りすると出てきます。
年末年始は街のクリニックもお休み。もしも年末年始(12/29-1/4)に体調を崩したら、初期救急診療所(小児科・内科・歯科)をご利用ください。 「発熱。コロナかも。どこで診てもらえば」という時に。東京都が医療機関案内に特化した専用ダイヤルを開設。24時間、土・日・祝もつながります。 80歳代の親に50歳代の「ひきこもり」の子ども。いわゆる8050問題。現在も相談窓口がありますが来年4月には新たな取り組みも始まります。 世田谷区役所は12/29〜1/3は年末年始のお休み。とはいえ新型コロナウイルス感染症が流行中。「もしもの時の連絡先・相談先」はこちらです。ご確認を。 こういう組織のゆるみが「税金のムダ遣い」や「区民の迷惑」に跳ね返ってしまうのでは無かろうか。
コメントを残す