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世田谷区の桃太郎 桃野芳文Webサイトです
2018-07-31

LGBTは生産性がないという論について。「こういう考え方も多様性の一つ」と言い出す人がいる不思議。

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世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
自民党の杉田水脈衆議院議員が、LGBTについて「生産性が無い」とした寄稿で大きな批判を受けています。
先週金曜日(7月27日)には、自民党本部前で抗議デモが行われたよう。主催者発表でデモ参加者は約4,000人だったそうです。
そんな影響もあったのでしょうか。杉田議員の寄稿について、今日は読売新聞が4段のスペースを割いて大きな記事を掲載していました。
LGBT 生産性ない 自民・杉田氏 月刊誌に寄稿 批判多数
念のために記しておくと、ことの発端は杉田議員の寄稿。
月刊誌「新潮45」の8月号に「『LGBT』支援の度が過ぎる」と題した文を寄せ、その中で杉田氏は「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がない」と主張しています。
桃野は、寄稿文の中身全てを読んだわけではなく、上記のような報道されている一部分のみしか見ていませんが、その部分だけであっても桃野の考え方とは全く相いれません。そして、そもそもこの人、自分の言っていることの意味分かっているのかなという印象。
人を「生産性」で語り、それを「税金を使うべきかどうか」の判断基準にすることがまず滅茶苦茶な話。そんなことを是とすれば、例えば病気や障がいなど何らかの事情で仕事ができない、つまりモノを生み出したり、付加価値を生み出したりできない人には、税金を使うなという話になってしまいます。
そして「子どもを生まない、産めない人」を「生産性が低い人」とする考え方にも驚き。生産性ってそんな風に使う言葉じゃない。
世の中に価値を与えるという意味では、子どもを産むこと、育てることもその一つだし、モノを生み出す、サービスを生み出すこともその一つ、世の中に価値を与える方法は無数にある。
と、ここまでは多分小学生ぐらいの子どもでも、多くは杉田氏の言っていることって変だよねってわかる話。
そして別の観点から、どうしても気になってしまうのが「LGBTなど多様性を認めろというなら、杉田氏の考え方も認めるべき。それこそ多様性を認めるということではないか」という論。
例えば、自民党二階幹事長の発言。

【杉田水脈氏の寄稿、二階幹事長「人それぞれ人生観ある」(7月24日朝日新聞デジタル)】

自民党の二階俊博幹事長は「人それぞれ政治的立場、いろんな人生観、考えがある」と述べ、杉田氏の寄稿について問題視しない考えを示し、又「右から左まで各方面の人が集まって自民党は成り立っている。(政治的立場での)そういう発言だと理解したい」としています。
ただし一方で、とってつけたように「多様性を受け入れていく社会の実現を図ることが大事だ。今後も努力していきたい」とも述べたよう。

まず前段の話は「これも一つの言論だから認めるべき」ということを言っていますね。

でも、そうでしょうか。生産性という言葉の使い方、税金を使うべき対象の示し方からしても、これは非合理的な理由で多くの方を排除しようとする考え方ですから、決して肯定されるべきものではありません。

そして「右(保守)から左(革新)までいるのが自民党。このような考え方も自民党の範疇」という趣旨の発言。

「LGBTは生産性がない」という発言を是認できるか否か、に右も左も無いですよね。人を傷つけたり排除しようとしたりといった言論と、政治的立ち位置は全くレベルの違う話です。

そして、そんなことを言っておきながら、とってつけたように「多様性を受け入れていく社会の実現を図ることが大事だ。今後も努力していきたい」とするのは、もはや疑問符しか頭に浮かんできません。この人のいう「多様性を受け入れていく社会」ってどんな社会なのでしょう?

世田谷区議会でも、実は、「多様性を認めるという考えを理解できないという考えも一つの多様性じゃないか」との論を展開する議員はいます。

2月5日の世田谷区議会、区民生活常任委員会で区側(行政側)から、議案「世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例」について説明があった時のこと。某自民党区議と、世田谷区の生活文化部長、人権・男女共同参画担当課長の間でこんなやり取りがありました。

会議録は世田谷区議会のサイトから確認できます。平成30年2月5日の区民生活常任委員会をご覧ください)

◆区議 単純に、多様性を認めるというのはどういうことなんですか。
◎人権・男女共同参画担当課長 当然なんですけれども、さまざまな生き方をしていらっしゃる方もいれば、いろんな区民の方もいらっしゃるということもありますし、障害のあるなしも含めて、さまざまな方がいらっしゃるということの違いを認め合うということで、決してマイナスではなくて、多様性というものを認め合うという意味での、違いを認め合って、それをプラスに変えていこうという発想のもとの多様性を認め合う、多様性の尊重という基本計画の中の具体的なものを実際に実践していこうという考え方でございます。
◆区議 こういう文言が出てくるということは、では逆に、多様性を認めていない人がいるということですか。
◎人権・男女共同参画担当課長 認めていないというよりは、余りにも多様な方々がお住いですし、いらっしゃるので、知らないということもたくさんあると思います。知らない上で理解が進まないということもあると思うので、多様性を認め合うということで、先ほども少し、**委員のときにも申し上げましたけれども、そういったことで教育活動ですとか、啓発活動で、多くのことを区民の方に知っていただくために、そういったさまざまな施策をしていく必要があるのかなと考えています。
◆区議 多様性を認めていないという人が出てきたときに、この条例が発生した場合にどうなるんですか。
◎人権・男女共同参画担当課長 そのときに区ができることというのは、御理解をいただくための御説明といいますか、先ほど来申し上げている啓発活動ですとか、そういったことも含めて、より正確な情報をお伝えして御理解をいただくように努めるというのが区の役割かなと考えてございます。
◆区議 それでも理解できませんという人がいた場合にはどうするんですか。
◎男女共同参画担当課長 私どもは、区の施策を進める上では、常に継続的に進めていくということで考えてございますので、理解していただけない場合は、理解いただけるまでといいますか、理解いただけるように、また違う工夫をしながら継続的に説明をさせていただくということで、御理解をいただくように努めるということが必要かなと考えてございます。
◆区議 理解しないというのも一つの多様性じゃないんですか。今の話を聞いていると、多様性を認めない限りは、それはおかしいと、理解するまで徹底的に多様性を理解させると。多様性と言うからには多様なんでしょう。多様が理解できないという人も出てくる可能性は、それはなしなの。
◎生活文化部長 今委員がおっしゃったとおり、確かにいろんな考え方があるというのは事実でございまして、それも多様性を認め合うということなので、無理矢理その人の頭の中を変えていただくということは、私たちが想定していることではございませんが、特にこの第七条に書いたように、そうした多様性があることを理由として、例えばどなたかに差別的な取り扱いがあったり、権利侵害があったりというようなことは、とにかくそれはいけないことであるからそれをやめましょうというのがこの条例の第一の目的でございます。
 また、例えば外国籍の方で日本語の力がまだ十分でない場合に、日本語の力が十分でないことを理由にしてコミュニケーションが十分にとれなくて、それが原因で地域社会に溶け込めないという方がもしいらっしゃったならば、そのコミュニケーションを支援する方策というのは区としてとっていくべきだと思っておりますので、そうした方策についてとっていくということ、多様性に起因する差別的取り扱いとか、権利侵害はとにかくないようにして、多様性を認め合ってみんなで一緒に、冒頭あべ委員からまさにおっしゃっていただいたとおりだと思いますけれども、それぞれの方がこの世田谷という地域の中で一緒に立場の違いを認め合いながら暮らしていくということを目指すものでございます。
(引用ここまで)
「多様性」を理解しないというのも一つの多様性じゃないのか。上記区議は、この発言にどのような思いを込めているでしょう。
しかしながら、このような理屈は、杉田氏のような「LGBTは生産性がない、だから税金は使うな」というトンデモ理論や、性別や国籍などを理由に人を差別する考えを「それも多様な考え方の一つ」と肯定する理屈には決してなり得ません。
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